2016 Fiscal Year Research-status Report
高機能自閉スペクトラム症における早期スクリーニング精度の向上
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16K17464
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
足立 匡基 弘前大学, 医学研究科, 特任助教 (50637329)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 早期発見・早期支援 / スクリーニング / ASSQ / 保護者評定 / 教師評定 |
Outline of Annual Research Achievements |
Autism Spectrum Screening Questionnaire(ASSQ, Ehlers et al. 1999)はもともと学齢期(7歳から16歳)のHF-ASDのスクリーニング尺度として開発された経緯があるが(Ehlers & Gillberg 1993)、知的水準に関わらずASD全般に対する適用において、信頼性・妥当性、良好な識別精度が確認されている(Ehlers et al. 1999)。国際的にもその高い識別精度が繰り返し確認されているASSQであるが(Kim et al., 2011)、Ⅰ. わが国においては、識別精度の十分な検証がされていない。加えて、Ⅱ.従来の適用年齢である学齢期においては、二次的不適応のリスクが高まるため、より早期での適用が求められるが、幼児期での適用可能性の検証は国際的にも行われていない。本研究はこの2点に着目し、検証を進めてきた。 28年度は、5歳児の保護者503名からASSQ-Parentform(ASSQ-P)の回答を得た。また、このうち451名については、保育園・幼稚園教諭からもASSQ-Teacherform(ASSQ-T)の回答が得られた。コミュニティサンプル群468名とASD診断群6名を対象とし、Receiver Operating Characteristic(ROC)分析を用いて予備的解析を行ったところ、ASSQ-Pにおいては、Area Under the Curve(AUC)=.952、ASSQ-Tにおいては、AUC=.941と、どちらの尺度においても優れた識別精度が示された。さらに、両尺度の合算値を利用するMAX ASSQでは、AUC=.981と各尺度を単独で利用するよりもさらに優れた識別精度が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ASSQ短縮版の論文が掲載されたこと、また、サンプルの収集という側面からも、計画通り約500名のサンプリングを終えることができ、順調に推移しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、初年度の半期を準備期間にあて、以降各年度半期に500名ずつサンプリングを行い、合計4期で約2000名のサンプリングを予定している。初年度は、計画通り約500名のサンプリングを終えることができたため、次年度においても初年度同様の研究計画に従い、研究を進行させることで、問題ないものと考える。
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[Journal Article] ASSQ短縮版の5歳児適用における妥当性2016
Author(s)
足立 匡基, 高柳 伸哉, 吉田 恵心, 安田 小響, 大里 絢子, 田中 勝則, 増田 貴人, 栗林 理人, 斉藤 まなぶ, 中村 和彦
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Journal Title
児童青年精神医学とその近接領域
Volume: 57
Pages: 603-617
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] GazeFinde(Kao-TV)を用いた5歳児のASD特性の検討2016
Author(s)
斉藤まなぶ, 坂本由唯, 大里絢子, 吉田恵心, 髙栁伸哉, 足立匡基, 安田小響, 田中勝則, 増田貴人, 栗林理人, 中村和彦
Organizer
第57回日本児童青年精神医学会総会
Place of Presentation
岡山コンベンションセンター(岡山県・岡山市)
Year and Date
2016-10-27 – 2016-10-29
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[Presentation] 某市5歳児発達健診から見た運動機能と認知機能関係2016
Author(s)
大里絢子, 斉藤まなぶ, 坂本由唯, 吉田恵心, 髙栁伸哉, 足立匡基, 安田小響, 田中勝則, 増田貴人, 栗林理人
Organizer
第57回日本児童青年精神医学会総会
Place of Presentation
岡山コンベンションセンター(岡山県・岡山市)
Year and Date
2016-10-27 – 2016-10-29
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[Presentation] 発達性協調運動障害への保護者・先生の気づきに関する検討. 第57回日本児童青年精神医学会総会2016
Author(s)
三上美咲, 斉藤まなぶ, 増田貴人, 田中勝則, 大里絢子, 坂本由唯, 吉田恵心, 髙栁伸哉, 足立匡基, 安田小響, 栗林理人, 中村和彦
Organizer
第57回日本児童青年精神医学会総会
Place of Presentation
岡山コンベンションセンター(岡山県・岡山市)
Year and Date
2016-10-27 – 2016-10-29
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[Presentation] Prevalence of Autism Spectrum Disorder in a Japanese Community-Based Population Sample of Five-Year-Old Children.2016
Author(s)
Saito M, Takayanagi N, Adachi M, Osato A, Yasuda, S, Masuda, M. Tanaka, S. Yoshida, M. Kuribayashi M, Nakamura K.
Organizer
International Society for Autism Research
Place of Presentation
Baltimore(アメリカ合衆国)
Year and Date
2016-05-11 – 2016-05-14
Int'l Joint Research
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