2017 Fiscal Year Research-status Report
学齢期のASD児における社会的相互作用の発達的変化に関する横断的・縦断的研究
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16K17466
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
鈴木 徹 秋田大学, 教育文化学部, 講師 (10735278)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / 社会的相互交渉 / 自己理解 / 他者理解 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、自己/他者理解の程度が社会的相互作用場面に具体的にどのような影響を与えるのかを検討することを目的とした。 知的障害特別支援学校2校の中学部・高等部に在籍する児童(自閉症児・知的障害児)を対象に、自己/他者理解の程度を測る課題を実施するとともに、担任教員へ学校での対象児童の社会的相互作用場面の様子に関する聞き取りを行った。 その結果、ASD児においては、1)自己理解と他者理解のどちらも低い場合、社会的相互作用場面で他者理解に起因する問題が目立つ、2)自己理解が低く他者理解が高い場合、社会的相互作用場面で自己理解に起因する問題が散見される、3)自己理解と他者理解のどちらも高い場合、社会的相互作用場面で特段問題はないものの自己肯定感の低い児童が多い、という傾向を示した。その一方、知的障害児においては、自己/他者理解の程度にかかわらず、どの児童も社会的相互作用場面での問題は認められなかった。これらのことから、ASD児においては、自己/他者理解の程度の違いによって社会的相互作用場面の問題の性質や頻度が異なることが明らかとなった(研究成果の一部について、日本発達障害学会第52回大会にてポスター発表を行った)。 今年度の研究成果を踏まえ、次年度では、学術雑誌へ論文を投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた計画を遂行できたため
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、特別支援学校2校の協力を得て、課題調査を行った。 次年度は、個別事例の参与観察を行い、実際の社会的相互作用場面の様子を把握する予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた学会に出席できなくなったため残額が生じた。次年度は複数の学会に出席し、計画的に予算を執行する予定である。
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Research Products
(1 results)