2017 Fiscal Year Research-status Report
私立中学校に在籍する特別な配慮を要する生徒に対する学校適応支援ガイドブックの開発
Project/Area Number |
16K17474
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
三浦 巧也 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70735357)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 特別支援教育 / 教育相談 / 特別な教育的ニーズ / 学校適応 / 私立中学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,国内の学校教育において期待されているものの,これまで我が国の特別支援教育のフィールド研究では取り上げられることがほとんどなかった私立中学校の支援研究に焦点を当てている。具体的には,私立中学校に在籍する特別な配慮(不登校・いじめ・非行・暴力行為・発達障害・精神疾患等)を要する生徒の現況に即した支援方法の構築を目的としたガイドブックの開発とその有効性を検証することである。 平成29年度は,私立中学校に在籍する特別な配慮を要する生徒を対象として,本人・教師に質問紙・聞き取り調査を実施した。調査項目より,「生徒の学校適応に関する特徴」「支援モデル」「支援方法」の3つに大別してデータを集計・分析した。 その結果,中学入試時の偏差値によって,特別な教育的ニーズ(配慮するポイント)に相違がみられた。加えて,支援の困難さや対応の工夫について,性別に有意差が生じることが明となった。 さらに,私立中学校及び在籍する特別な配慮を要する生徒に関する学校適応の特徴を捉えるため,公立中学校生や公私立高等学校の教師を比較対象者として,追加調査を実施した。調査結果の一部は論文にし,また,学会にて発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
私立中学生と公立中学生を対象に,行動情緒に関する質問紙及び,学級風土や成績等の質問紙を加えて,調査を実施した。私立中学生の学校適応の特徴を把握するため,質問紙の相関関係及び,公立中学生との比較を分析した。。 私立中学校と公私立高等学校の支援ニーズや支援のあり方について,質問紙調査の分析はおおむね終了しており,分析の一部は論文にまとめた。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果をもとに,「私立中学校に在籍する特別な配慮を要する生徒に対する学校適応支援ガイドブック」の開発に着手する。そして,ガイドブックの内容を学会や講演会等で発表し,その有効性を聞き取り調査によって検証する次第である。 加えて,これまでの調査から,研究を協力下さる学校に対して,インタビュー調査等を実施する予定である。その結果を,ガイドブックに反映したいと計画している。
|