2016 Fiscal Year Research-status Report
発達障害児の「食の困難」の実態と発達支援に関する実証的研究
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16K17476
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
田部 絢子 大阪体育大学, 教育学部, 准教授 (70707140)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 発達障害 / 食行動 / 調査研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究『発達障害児の「食の困難」の実態と発達支援に関する実証的研究』の目的は、発達障害の子どもがどのような「食」に関する困難を有し、いかなる理解と健康増進の発達支援を求めているのか、対応・支援のあり方を実証的に解明することである。 2016年度は、食の困難・ニーズに関する学校栄養士調査を実施した。東京都内の小・中学校の特別支援学級(自閉症・情緒障害)・通級指導学級(情緒障害等)、知的障害特別支援学校(小学部・中学部・高等部)、合計842校の管理栄養士・栄養士・栄養教諭(いずれも配置されていない場合は学校給食担当分掌教諭・養護教諭)を対象に郵送質問紙法調査を実施した。 調査対象に東京都を選定したのは、学校給食の実施率が小学校99.7%(区部100%)、中学校97.7%(区部100%)、特別支援学校100%と全国に比較して高いためである(東京都教育委員会「平成24年度東京都における学校給食の実態」)。 調査期間は2015 年12月 ~2016 年5月。回答は134通(有効回答128通、無効回答6通)、回収率は15.9%であった。小学校74校(通級指導学級設置42校、特別支援学級設置37校)、中学校44校、(通級指導学級設置15校、特別支援学級設置30校)、特別支援学校(知的障害)10校の合計128校。 発達障害児の困難さは「社会性、コミュニケーション、興味の限定・こだわり」等について取り上げられることが多いが、彼らが日常生活を送る上で訴える困難・ニーズには、感覚過敏・低反応や身体症状等の身体感覚問題とあわせて食事・食行動に関することも顕著に多い。学校では発達障害児の身体症状や食行動の特異性に気づき始めているが、個々の困難さへの対応や多職種との連携が十分になされていない現状であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は予定通りに進行している。 現在は「食・食行動に関する発達障害児者と保護者調査」を実施中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は「食・食行動に関する発達障害児者と保護者調査」を実施中である。調査は、①発達障害(ASD、LD、ADHD)の診断・判定を有するあるいはその疑いのある小学生・中学生・高校生本人、②その保護者を対象に郵送質問紙法調査を実施する。質問紙調査項目の妥当性検証と質問紙調査票に追加して聞き取りを行うため、構造化面接法調査も実施する。発達障害(ASD、LD、ADHD)の診断・判定を有するあるいはその疑いのある小学生・中学生・高校生は、自身の食・食行動の問題について現在または幼小期を振り返って記述が可能な方を対象にし、倫理的配慮を十分に行うこととする。
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Causes of Carryover |
当該年度助成金で購入予定だったSPSSライセンスを平成28年度助成金で購入するにはわずかに不足したため、当該年度の残金を繰越金とし、平成29年度助成金と合わせて支出することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年4月、平成28年度繰越金と平成29年度助成金をもとにSPSSライセンスを購入済みである。
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Research Products
(5 results)