2017 Fiscal Year Research-status Report
発達障害児の「食の困難」の実態と発達支援に関する実証的研究
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16K17476
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
田部 絢子 大阪体育大学, 教育学部, 准教授 (70707140)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 発達障害 / 食の困難 / 当事者調査研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究『発達障害児の「食の困難」の実態と発達支援に関する実証的研究』の目的は、発達障害の子どもがどのような「食」に関する困難を有し、いかなる理解と健康増進の発達支援を求めているのか、対応・支援のあり方を実証的に解明することである。 2017年度は、発達障害児者本人と保護者への調査を通して、当事者が有する「食の困難」の実態と当事者が求めている理解・支援について明らかにした。 発達障害本人調査では、2012~2013年に実施した当事者調査で用いた調査票を改良し、調査対象を発達障害の診断・判定を有する又はその疑いがある小学生まで広げた(発達障害当事者が記入できない場合は、当事者の回答をもとに保護者代筆を認めた)。調査期間は2016年12月~2017年6月、回答者は発達障害の診断・判定を有する又はその疑いがある当事者73名、教育系大学で発達障害教育関係講義を受講している学生115名。保護者調査では、発達障害の診断・判定を有する又はその疑いがある子どもの保護者65名を対象に、郵送質問紙法にて実施した。調査期間は2016年12月~2017年6月。 各種調査の結果、「食べられない子ども」と「食べてほしい保護者・学校」との間で日々繰り返されるやり取りが、双方にとっての大きな困難・ストレスになっていた。保護者は「食を作り、食べさせる」側であるため、保護者もまた発達障害当事者と同様に食に関する各種の困難を抱えていることが示唆される。本調査を通して、発達障害当事者・保護者が求めている支援は「メニューを変えてほしい」「特別に作ってほしい」というものではなく「理解してほしい・認めてほしい」という基本的なことであった。子どもの意思を尊重し、信頼関係をもとに支援することにより、偏食が改善していく様子も報告されている。 さらにこれらの研究を国際的動向を確認しながら進めるため、北欧諸国への訪問調査も実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は予定通りに進行している。 現在は「食・食行動に関する発達障害児者と保護者調査」を継続実施中である。 さらに高等学校調査、少年院調査等、広く発達に課題を有する子どもの実態も把握する調査を計画・実施中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は「食・食行動に関する発達障害児者と保護者調査」を継続実施中である。調査は、①発達障害(ASD、LD、ADHD)の診断・判定を有するあるいはその疑いのある小学生・中学生・高校生本人、②その保護者を対象に郵送質問紙法調査を実施する。質問紙調査項目の妥当性検証と質問紙調査票に追加して聞き取りを行うため、構造化面接法調査も実施する。発達障害(ASD、LD、ADHD)の診断・判定を有するあるいはその疑いのある小学生・中学生・高校生は、自身の食・食行動の問題について現在または幼小期を振り返って記述が可能な方を対象にし、倫理的配慮を十分に行うこととする。 加えて、高等学校調査、少年院調査等、広く発達に課題を有する子どもの実態も把握する調査を計画・実施中である。 北欧諸国における訪問調査も踏まえ、国際的な研究動向に照らし合わせて検討していく。
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Causes of Carryover |
調査の郵送費等を予定していたが、協力者に持参してお願いしたほか、調査票の印刷等も一部はコピー等で対応したため、計画よりも抑えることが可能となった。 次年度に調査を継続して実施するため、残額を繰り越すこととする。
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Research Products
(14 results)