2016 Fiscal Year Research-status Report
フォノン閉じ込めによる太陽電池エネルギー変換効率向上策の提案
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16K17511
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
MA BEI 千葉大学, 大学院工学研究科, 助教 (90718420)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フォノン / 励起子 / キャリア / ダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ヘテロ接合界面でのフォノン輸送・キャリア動的過程計算 AlxGayInzN(x+y+z=1)の組成制御によるフォノンバンド制御を行ったヘテロ界面における、光学・音響フォノンの分解・結合を考慮した反射・透過過程の数値計算を行った。In組成zを変えることで、バンド不連続とピエゾおよび変形ポテンシャル差によるフォノン輸送速度の非等方性を変化する可能性を証明した。基板をGaNとした場合に、フォノン輸送の非対称性が期待できる超格子構造の一例としてAlN3 (Al0.24 In0.76 N) 1 / AlN1 (Ga0.925 In0.075 N) 3 ヘテロ接合を提案した。 (2)量子井戸構造のフォノン・キャリア動的過程計算 上記を基盤にAlGaN系量子井戸構造を想定し、井戸内のピエゾ電解、自発内部電界を取り入れ、キャリア・フォノン・励起子の動的過程の変化機構の一部を解明した。量子構造はヘテロ構造によりフォノン閉じ込めが強められると同時に、電子・正孔の波動関数の重なりが増え、発光再結合が増加すると証明した。さらに、フォノン局在性をパラメーターとして、光学フォノンと音響フォノンを比較した結果、音響フォノン密度が光学フォノンより2桁高いにも関わらず、光学フォノンのほうがキャリア取り出し率に最も影響することが判明した。その光学フォノン局在寿命を2桁変化させた場合、励起子として、キャリア取り出し効率向上の可能性について、シミュレーションで検証し、励起子へ影響は長時間に継続し、200 ps にも上回った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実施計画」(3)不純物・結晶欠陥のキャリア動的過程理論計算を行うに至っていないが、(1)ヘテロ接合界面でのフォノン輸送・キャリア動的過程計算や(2)量子井戸構造のフォノン・キャリア動的過程計算は行った。
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Strategy for Future Research Activity |
不純物・結晶欠陥のキャリア動的過程理論計算を行う。更に実験において、結晶欠陥、ヘテロ構造、量子井戸構造の光学・電流同時測定及び解析へ移して、シミュレーションの計算結果を実験結果と比較する。
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Research Products
(25 results)