2017 Fiscal Year Research-status Report
現実加速器における測定をリアルタイムで反映する仮想加速器システムの構築
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16K17545
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
清宮 裕史 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 特別助教 (20756720)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 加速器科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
先端加速器には、高電荷、低エミッタンス、高い安定性が要求される。本研究は、ビームベースト測定を駆使した制御システムを構築 することで、それらの要求の実現もしくはボトルネックの同定を素早く行うことを目的の1つとしている。 当該年度の目標である、測定値をリアルタイムで反映させるソフトウェア構築が進められ、主にデバッグや他の加速器にも転用できるような汎用性の高いプログラム作成を行った。また、実証器として用いている入射器の最大ビーム繰り返しである50HzでBPMをはじめとする測定値のデータ保存を行うようにした。このデータを読み込み、リアルタイムな仮想加速器のシミュレーションが行われる。 高い安定性が要求される先端加速器では、ビームの位相空間ジッターが加速器性能に大きな影響を与えることがある。例えば、SuperKEKBから入射器に要求されるビームのエミッタンスは、大まかにビームのショットバイショットのエミッタンスと、ビームの位相空間ジッターによるエミッタンスとを足したものになるためである。そこで、このビームジッターによるエミッタンス(ジッターエミッタンス)を測定し、ビームラインのどの場所からジッターエミッタンスが増加しているかを一目で判断できるようになった。これにより、ジッターエミッタンス増加の原因を素早く特定し、原因を究明することが可能となった。ジッターエミッタンスは、主にディスパージョン抑制に失敗した際に増大するため、これを監視することでディスパージョン抑制、延いてはエミッタンス増大を抑制することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
SuperKEKBのコミッショニングが本格的に始まったため、予想していたほど本研究に時間を割くことができなかった。具体的には、低エネルギー領域のトラッキングプログラムが未完である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の流れ通り、未完である低エネルギー領域のトラッキングプログラムを完成させ、ハイスペックPCでリアルタイム仮想加速器シミュレーションを実行し、このリアルタイム仮想加速器の有用性を示すべく研究を進めていく。しかし、現状研究に遅れが生じており、SuperKEKBコミッショニングは今後も続くため、研究の進みが早まることはないと予想される。必要があれば研究期間の延長を視野に入れるつもりである。
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Causes of Carryover |
研究に遅れが出ていたため、予定していたハイスペックPC購入を次年度に持ち越すことにした。そのため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(3 results)