2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K17565
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
和田 堅太郎 信州大学, 学術研究院理学系, 准教授 (60583862)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Lie代数の表現論 / 量子群の表現論 |
Outline of Annual Research Achievements |
変形カレントLie代数の複素数体上での表現論について研究し, 有限次元既約表現の分類, 及びその構成を得た。 変形カレントLie代数は三角分解を持っており, その表現論において, Lie理論によく現れる最高ウェイト理論を用いることができる。特に, 有限次元既約表現は全て最高ウェイト表現となり, それらを分類するには,その最高ウェイトを決定すればよい。 基本的なアイデアは, よく知られているオリジナルのカレントLie代数における分類の仕方と同じであり, 変形カレントLie代数の有限次元既約表現は, Drinfeld多項式と呼ばれるモニック多項式+αによって添え字付けられる。この+αの部分が変形することによって新たに生じる部分である。より具体的には, カレントLie代数は自明な1次元表現しか持たないが, 変形カレントLie代数は多くの非自明な1次元表現を持つ。この1次元表現の存在が+αの部分に寄与している。 また, 有限次元既約表現は, 対応する半単純Lie代数の基本表現のevaluation表現のテンソル積表現の部分商表現として実現される。多くの evaluation 準同型は全射であるが, evaluation値と変形パラメータとの間にある関係があると, evaluation 準同型は全射ではなくなる。この部分が変形した場合に生じる表現論の違いを与える理由の一つにもなっていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標であった変形カレントLie代数の有限次元既約表現の分類を完了することができ, 変形パラメータの表現論への寄与の一部を理解することができたため。 また, 変形カレントLie代数の q-類似である量子変形カレント代数の有限次元既約表現の分類(これは今回の結果のq-類似となるはずであるが)のための準備も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
量子変形カレント代数の有限次元既約表現の分類を行う。その過程で, 量子変形カレント代数上にホップ代数の構造(あるいは, あるクラスの表現のなす圏上にテンソル圏としての構造) を定めることが必要となるので, それらの構造についても調べていく。
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Causes of Carryover |
当初計画で見込んでいたよりも安価で研究を遂行できたため次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H29年度請求額と合わせて, 必要な書籍の購入等に充てる予定。
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