2019 Fiscal Year Research-status Report
アフィン量子群のレベル・ゼロ表現論の幾何学的・組合せ論的研究
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16K17577
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
石井 基裕 群馬大学, 教育学部, 准教授 (00732463)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アフィン量子群 / 端ウェイト加群 / 結晶基底 / アフィン・ワイル群 / 半無限ブリュア半順序 / 半無限ヤング盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1): 捩れのないアフィン量子群のレベル・ゼロ端ウェイト加群の結晶基底から、レベル・ゼロ基本端ウェイト加群の結晶基底のテンソル積への自然な射を考察し、その像に対する半無限ブリュア半順序を用いた特徴付けを与えた。これは、半無限LSパスに対する標準単項式理論とみなすことができる結果である。 (2): 2018年度までに、レベル・ゼロ基本ウェイトの非負整数倍であるウェイトを型とする半無限ヤング盤に対する特徴付けを得ていた。2019年度は、(1)の結果をA型アフィン量子群の場合に適用することによって、任意の型の半無限ヤング盤に対する特徴付けを得ることができた。これによって、一般のレベル・ゼロ端ウェイト加群の結晶基底に対する半無限ヤング盤による実現を得ることができた。 (3): (1)と同様の議論をデマジュール部分結晶に対して行い、その像に対する部分的な特徴付けを得た。この結果の応用として、(捩れのないアフィン・ルート・データに関する)アフィン・ワイル群上の半無限ブリュア半順序に対するデオダールの判定法の類似を示すことができた。特に、この判定法をA型アフィン・ワイル群に適用することによって、半無限ヤング盤を用いた半無限ブリュア半順序の判定法を示すことができた。これは、対称群のブリュア半順序に対する盤判定法の一般化とみなすことができる結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
未解決であった一般の型の半無限ヤング盤に対する特徴付けを与えることができ、その応用(レベル・ゼロ端ウェイト加群の結晶基底の実現、半無限ブリュア半順序に対する盤判定法)を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
古典型アフィン量子群の設定で半無限ヤング盤の類似物を定式化し、同様の応用を与えたい。これは柏原・中島のヤング盤のレベル・ゼロ表現論への拡張に相当するものであると考えられる。 半無限ヤング盤を用いてテンソル積構造の組合せ論的な記述を与えたい(ロビンソン・シェンステッド対応、プラクティック代数の類似)。また、A型の2重アフィン・ヘッケ環の既約表現を記述する巡回的ヤング盤と本研究における半無限ヤング盤との関係を解明したい。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額とは異なったが、研究計画に大きな変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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