2017 Fiscal Year Annual Research Report
New approach to low dimensional topology by using quandle and branched covering
Project/Area Number |
16K17589
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
畠中 英里 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (00532558)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 低次元トポロジー / 位相不変量 / カンドル / 分岐被覆 / 三次元多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
曲面結び目,3次元多様体,4次元PL多様体を主な研究対象として,位相不変量を用いて分類を与えること,および不変量たちの相互関係を明らかにすることを目的として,カンドルを用いて曲面結び目の3重点数による分類を進展させることを検討した.カンドルとはある条件を満たす2項演算を持つ集合であり,群の共役演算を抽象化したものである。次に3次元多様体の分岐被覆表示を用いて既存の様々な不変量を再構成すること,および新しいタイプの不変量を発見することを検討した.さらに,分岐被覆表示の枠組みを拡張し,境界付き3次元多様体や4次元PL多様体の分岐被覆表示を作り,それぞれの不変量構成に役立てる.また分岐被覆表示を用いて構成される不変量と,結び目や曲面結び目のカンドルを用いた不変量や,量子不変量との関係について調べることを検討した.具体的には、(1) 様々な曲面結び目についてそのカンドルコサイクル不変量の値を調べ,3重点数の決定に役立てた、(2) 分岐被覆表示を用いて,3次元多様体の量子不変量を再構成する方法論にアプローチを試みた、(3) 3次元での理論を拡張して4次元PL多様体の不変量を構成する方法論にアプローチした、などの多くの研究の進展があった。カンドルを用いた不変量と量子不変量はどちらも低次元トポロジーの分類問題に関する強力な不変量であり,現在注目されている.しかしこれら二つの方向性を直接に関係づけるトピックはほとんどない.本研究における、分岐被覆表示を用いてカンドルを用いた不変量と量子不変量を結びつける試みは、今後の当該分野の発展に大きく寄与するものと考えられる。
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