2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K17592
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
蔦谷 充伸 九州大学, 数理学研究院, 助教 (80711994)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リー群 / ループ空間 / ゲージ群 / 高次ホモトピー可換性 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,コンパクトリー群の高次ホモトピー非可換性に関する結果と,ループ空間に近い構造を持つ「ホモトピー不動点」に関する結果を得た.一方で,計画していた余単体構造から得られるスペクトル系列の性質の解明には,もう少し研究が必要であることが分かった. 前者では既存の結果を拡張する形でコンパクトリー群の非可換性に関する結果を得たのみならず,普遍主束を射影空間と呼ばれる部分空間上に制限して得られる主束のゲージ群(自己同型群)の非可換性に拡張されることが分かった.このことは,本研究で主な研究対象としているスペクトル系列の微分に非自明なものが存在することと,ある程度の範囲では自明になることを示唆する. 後者の結果については,不動点の存在に関する性質が「ストリングトポロジー」と呼ばれる自由ループ空間の理論との関係を示唆する形で得られた.ストリングトポロジーはリー群との関係からも調べられており,それらの関係を明らかにする必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
余単体構造から誘導されるスペクトル系列が当初予期していたよりも複雑で,有効な手立てを調査するのに時間がかかっている.しかし,関連する結果も得られているため解決できないと判断する段階ではなく,今後もこの問題に取り組むつもりである.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き余単体構造から定まるスペクトル系列の研究に取り組む.そのために文献などからの情報収集に努める.また理論的な整備と並行して,計画していた球面上のループ空間などへの応用の可能性も模索していく.
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Causes of Carryover |
申請時には想定していなかった学内の研究費が獲得できたため,計算機の購入はそちらの経費による方が適切と判断した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
具体的な予定は検討段階であるが,書籍の購入や研究に関する情報を収集するための旅費に充てる予定である.
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Research Products
(6 results)