2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K17597
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
安部 哲哉 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 特任准教授 (00614009)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | スライス・リボン予想 / 結び目理論 / ハンドル分解 / 結び目コンコーダンス / 接触幾何学 / ハンドル分解 / 4次元多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請書に書いた通り、本研究の目的は二つあります。一つ目の目的は、結ひ目理論に於ける、長年の懸案の問題である「スライス・リボン予想」を解決することです。より正確には、「スライス・リボン予想」の解決に向けて 数学的ツールを整備することです。二つ目の目的は、近年、盛んに研究されている「接触幾何学」や「シンプレクティック幾何学」が結び目理論 (特に結び目コンコーダンス理論) に於いて、どのような役割を果たすのか、を解明することです。
一つ目の目的に関して:申請書の「平成 28 年度の研究計画 2:リボン円板の特徴付けの応用」で記したことを、丹下基生氏(筑波大学)との共同研究で完成させ、論文「Ribbon disks with the same exterior」を執筆した。また、アーカイブに投稿した(arXiv:1703.04913)。「スライス・リボン予想」の解決までは遠いが、リボン円盤の理解は進んだ。また、申請書の「平成 28 年度の研究計画 1: リボン円板の特徴付け」に関する研究は現在進行中である。まとまった結果が得られ次第、別の論文にまとめる予定である。
二つ目の目的に関して:こちらも現在進行形で研究中である。まだ、明確な成果はあげられていない。接触幾何学の勉強をして、勉強した内容の一部を研究集会「微分トポロジー17」(世話人:安部哲哉、丹下基生氏、山田 裕一氏(電気通信大学)) で解説した。また田神慶士氏(東京理科大学)との共同研究で得られた(接触幾何学と関係のある)結果に関して、いま論文を執筆中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にも書いた通り、申請書の「平成 28 年度の研究計画 2:リボン円板の特徴付けの応用」で記したことを、丹下基生氏との共同研究で完成させ、論文「Ribbon disks with the same exterior」を執筆したので、研究は順調に進んでいると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
まずは、論文「Ribbon disks with the same exterior」を投稿する。比較的最近、Akbulutが導入した「δ-move」は結び目コンコーダンス理論と関係がありそうなので、それを調べる。また、リボン円盤とハンドル分解の理論を、より深める。また、田神慶士氏(東京理科大学)と進めている、接触幾何学と関係する研究を完成させる。
これらを実行するためには、多くの時間が必要なので、日常生活における業務(授業の準備)、また家族生活に伴うイベント(休日のおでかけ)を見直すことにより、研究時間の確保に務める。
|
Causes of Carryover |
旅費を温存した結果、少し余った。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
謝金の割合を増やして、計画的に予算を執行する。
|
Research Products
(5 results)