2016 Fiscal Year Research-status Report
非コンパクト対称空間内の種々の等質部分多様体の研究
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16K17603
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
橋永 貴弘 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 助教 (40772132)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 対称空間 / 等質部分多様体 / ラグランジュ部分多様体 / リッチソリトン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, 非コンパクト対称空間内の等質部分多様体に関連する以下の問題の進展を目的としている: 1. 非コンパクト対称空間内の等質部分多様体論を用いたリー群上の左不変な幾何構造の研究の枠組みの構築, 2. 非コンパクト型対称空間内の等質部分多様体に対して, 良い性質をもつものの研究(例の構成, 分類等). 今年度は上記研究テーマの2に関連する研究として, 非コンパクト型エルミート対称空間内の等質ラグランジュ部分多様体に関する研究を行った. 今年度の研究実績は以下の通りである. (1)非コンパクト型エルミート対称空間内のコンパクト等質ラグランジュ部分多様体の分類問題は, 複素ユークリッド空間内のコンパクト等質ラグランジュ部分多様体の分類問題に帰着されることを示した. また複素双曲空間の場合に, 岩澤分解の可解部分の部分群作用から得られる非コンパクト等質ラグランジュ部分多様体を分類し, 各軌道の性質を調べた.これらの結果は,12月にメルボルン(オーストラリア)で開催された国際研究集会および3月に大阪市立大学で開催された国際研究集会で発表された. 論文は共著論文として執筆し, 投稿した. また階数の低いいくつかの非コンパクト型エルミート対称空間に対して,岩澤分解の可解部分の部分群作用で原点軌道がラグランジュ部分多様体となるものを分類した. (2)(0,4)空間と呼ばれる然るべき条件を満たす接触多様体に関して, それが非コンパクトグラスマン多様体内の等質超曲面として実現できること, さらに誘導計量に関してリッチソリトンであることを証明していた. 今年度はその結果を共著論文として執筆し, 投稿した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非コンパクト型エルミート対称空間内の等質ラグランジュ部分多様体の研究は順調に進展している. 最も簡単な場合である複素双曲空間については, リー代数の構造を用いて岩澤分解の可解部分の部分群作用で非コンパクトラグランジュ軌道を許容するものの分類を与え, さらに運動量写像を用いて, 各群作用に対して, すべてのラグランジュ軌道を決定し,それらの性質を調べることができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
非コンパクト型エルミート対称空間内の等質ラグランジュ部分多様体の研究を進めていく. 今後はこれまでの結果を踏まえ, 岩澤分解の可解部分の部分群作用でラグランジュ軌道を許容するものの分類問題に関して, ある程度統一的な分類方法の確立を目指し, 高階の場合の研究の足掛かりにしたいと考えている. また岩澤分解の可解部分よりも大きな等長変換群の部分群である放物型部分群を考え, 放物型部分群の部分群作用から得られる非コンパクト等質ラグランジュ部分多様体の研究(例の構成, 分類問題)を行う.
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Causes of Carryover |
共同研究者との研究打ち合わせ旅費として使用予定であったが, 校務等の関係で日程調整がうまくできず見送ったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に行う研究集会および研究打ち合わせの旅費として使用する.
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Research Products
(7 results)