2018 Fiscal Year Research-status Report
非コンパクト対称空間内の種々の等質部分多様体の研究
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16K17603
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
橋永 貴弘 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 講師 (40772132)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 対称空間 / ラグランジュ部分多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は非コンパクト型エルミート対称空間内の等質ラグランジュ部分多様体に関する研究を主として行った. 本研究の目的は非コンパクト型エルミート対称空間内の等質ラグランジュ部分多様体の構成及び分類, また幾何学的な性質を調べることである. 今年度は階数の高い非コンパクト型エルミート対称空間に対しても有効な, 岩澤分解の可解部分の部分群作用で等質ラグランジュ部分多様体を許容するものの構成法を与えた. またこの構成法から得られる群作用の分類問題に取り組んだ. 北九州工業高等専門学校の栗原大武氏との共同研究により, 対称空間がSp(n,R)/U(n)の場合には, 上記の構成法から得られる群作用と, ある性質を満たすグラフ(木)の間に対応関係があることを証明した.特にグラフを分類することで, 岩澤分解の可解部分の部分群作用で等質ラグランジュ部分多様体を許容する作用がどれくらいあるかを把握することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
階数の高い非コンパクト型対称空間の場合にも等質ラグランジュ部分多様体の例を豊富に構成することができた. また分類問題に関してもグラフ理論を用いることである程度の進展が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
岩澤分解の可解部分の部分群作用から得られる等質ラグランジュ部分多様体の分類問題に取り組む. 今年度は対称空間の階数が高い場合に, 等質ラグランジュ部分多様体を許容する作用の分類問題を, ある性質を持つグラフの分類問題に帰着させることで一定の成果が得られた. 現状Sp(n,R)/U(n)の場合にしかうまくいっていないが, 他の非コンパクト型エルミート対称空間の場合にも同様の枠組みで分類問題に取り組む. またSp(n,R)/U(n)の場合においても, 我々の与えた分類が等質ラグランジュ部分多様体を許容する群作用の完全な軌道同値類の分類になっているかはわかっていない. この問題に関してもリー群論や部分多様体論だけでなくグラフ理論の観点から取り組む予定である.
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Research Products
(6 results)