2018 Fiscal Year Annual Research Report
Geometric structures which admits singular points and the realization problem
Project/Area Number |
16K17605
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
本田 淳史 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (90708611)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 平坦波面 / 特異点の双対性 / ローレンツ多様体 / 混合型曲面 / ガウス・ボンネの定理 / カスプ辺 / 等長変形 / Kossowski計量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,半正定値計量の特異点の実現問題,特異点を許容する空間型の間の等長はめ込みの分類の2つの課題について研究を行った.まず,特異点を許容する空間型の間の等長はめ込みの分類については,村田-梅原による3次元ユークリッド空間の完備な平坦波面の研究の高次元化を平成28・29年度に行っていたが,その際に特異点の双対性のような現象を確認していた.平成30年度は,平坦波面の共役を適切に定義することで,特異点の双対性が成り立つことを示し,論文にまとめ投稿した.さらに,ローレンツ多様体内の混合型曲面も調べた.混合型曲面は正則曲面なのでそれ自体は写像の特異点を持たないが,誘導計量の退化点である光的点は幾何構造の特異点とみなされる.研究代表者は,佐治健太郎氏,寺本圭佑氏と共同で,波面の幾何学的性質の研究の手法を適用することで,光的点におけるガウス曲率の挙動を調べ,その応用として有界なガウス曲率を持つ混合型曲面に対するガウス・ボンネの定理を得た.この研究結果も論文にまとめ,現在投稿中である.最後に,半正定値計量の特異点の実現問題について,平成28・29年度までに非退化な特異点を持つフロンタルの等長実現定理を得ており,カスプ辺,カスプ状交差帽子,ランフォイドカスプ辺(5/2-カスプ辺)の等長変形のモジュライ空間を決定していた.しかし,等長実現の一意性については未解決の部分があった.平成30年度はその問題に取り組み,直川耕祐氏,佐治健太郎氏,梅原雅顕氏,山田光太郎氏との共同研究において,与えられた空間曲線を特異値集合の像として持つような等長的なカスプ辺の個数は,ジェネリックな場合には4つあることを示した.さらに,そのカスプ辺が2つになるのは,第一基本形式が対称性を持つときに限ることも示し,カスプ辺の局所等長変形問題を解決した.この研究結果も論文にまとめ,現在投稿中である.
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Research Products
(11 results)