2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K17606
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 政晴 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (30516480)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | モジュレーション空間 / 分散型方程式 / シュレディンガー方程式 / エアリー方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に続き、本年度もモジュレーション空間とウィーナーアマルガム空間に関する「基本課題の解明」と「偏微分方程式への応用」に関する研究を行った。 主要な結果として以下を得た: シュレディンガー方程式やエアリー方程式を含むような高階の分散型方程式の解の性質をルベーグ空間Lpの枠組みで研究する場合、まず方程式の解をフーリエ変換を用いて表示し(フーリエ乗子作用素で表す)、この表示と関数解析及び実解析的方法(例えばフーリエ乗子作用素のLp-Lq評価式や停留位相の方法など)を用いて解のもつ性質を解明する方法がある。モジュレーション空間の枠組みでこれらの方程式の解の性質を解明する場合にも、これまではフーリエ変換を用いた解の表示が用いられてきた。一方、加藤-小林-伊藤(Tohoku Math. J. (2012))において指摘されているように(少なくともシュレディンガー方程式の場合)解の性質をモジュレーション空間の枠組みで調べる場合にはフーリエ変換ではなく短時間フーリエ変換を用いた方が遥かに扱いやすい。しかし、エアリー方程式(や一般の高階の分散型方程式)に対して短時間フーリエ変換を用いた解の表示が可能かは明らかではなかった。 今回はシュレディンガー方程式やエアリー方程式を含むような高階の分散型方程式の解を短時間フーリエ変換を用いて表すことに成功した。この表示を用いてモジュレーション空間の枠組みにおける高階の分散型方程式の解のストリッカーツ型評価式を得ることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の研究の副産物として、斉次型モジュレーション空間の基本性質が明らかに出来た。今後の研究において斉次型モジュレーション空間は重要な役割を果たすことが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究初年度に得られた佐藤圓治氏(山形大学)との共同研究で得られたモジュレーション空間のおける作用関数の特徴づけをさらに発展させ、一般の重み付きモジュレーション空間における非線形作用素の特徴づけを行う。
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