2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K17614
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
縄田 紀夫 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (90614040)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 作用素環 / Stably projectionless / トレイススケーリング / 自己同型 / ペアリング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は研究計画に従って,以下の二つの研究を重点的に行った. (1)核型単純 stably projectionless C*-環のK群とトレイス空間のペアリングの研究 (2)Wと呼ばれる特別な核型単純 stably projectionless C*-環の自己同型写像の研究 (1)の研究では,非自明なペアリングを持つ核型単純 stably projectionless C*環を単純AT環の連続接合積として構成することに成功した.この構成は,岸本とKumjianによる核型単純 stably projectionless C*-環の構成に基づくものである.視点を変えると, 単純AT環上の興味深い流れを構成したことにもなる.この研究成果は,7月にドイツのミュンスター大学で行われた研究集会「YMC*A」および9月に関西大学で行われた「日本数学会2016年度秋季総合分科会」において口頭発表した. (2)の研究では, Wの安定C*-環のトレイススケーリング自己同型写像を外部共役で完全分類することに成功した.また,Wのロホリン性を持つ自己同型写像は外部共役を除いて唯一つであることがわかった.この研究成果を得るために,Wの中心列C*-環のユニタリ元の解析を行い,Wの中心列C*-環の性質についてもいくつかの有用な研究成果を得た.この研究成果の一部については,2月に京都大学数理解析研究所で行われた共同研究「量子情報理論に関連した作用素環論における諸問題の研究」において口頭発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Wの安定C*-環のトレイススケーリング自己同型写像を外部共役で完全分類することに成功した.また,これからの研究を進めるために必要だと思われるWの中心列C*-環の性質に関する研究成果を得た.以上のことから,当初の計画以上に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画ではWの同型問題についても研究することにしていたが,この問題はGongとLin およびElliottとNiuによってある程度解決された.そのために,Wの対称性(群作用)の研究を重点的に行う.また,一般の核型単純 stably projectionless C*-環の自己同型写像についても研究する.
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