2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mathematical analysis for nonlinear partial differential equations of electrostatic plasma turbulence
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16K17632
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
近藤 信太郎 岐阜大学, 工学部, 准教授 (60726371)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | プラズマ / 非線型偏微分方程式 / 非線型常微分方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
プラズマ中にはさまざまな不安定性があり、特に核融合プラズマの研究においては高温プラズマを真空容器の中に閉じ込めるために不安定性のコントロールが重要である。ドリフト波と呼ばれる波が原因となって生じるドリフト波乱流と帯状流による乱流抑制の研究は、地球の大気において見られるロスビー波と帯状流に関する研究と共通点の多い研究課題であるため重要である。プラズマを記述する偏微分方程式であるHasegawa-Wakatani方程式に対する数学解析の研究を、拡張モデルを考える方向で進める予定であったが、核融合プラズマの専門家と研究討論を進める過程で、常微分方程式モデルに対して数学解析の研究を進めることになった。考えた常微分方程式モデルは、1995年にSugama, Hortonによって提案されたモデル方程式であり、Hasegawa-Wakatani方程式と類似の偏微分方程式から導出されている。Sugama-Hortonモデルは、圧力エネルギー、乱流の運動エネルギー、帯状流の運動エネルギー、を3変数とする連立非線形常微分方程式である。入力パラメータが十分小さいときには、帯状流の運動エネルギーはゼロに収束するが、入力パラメータが大きくなると、乱流の運動エネルギーが減少して、帯状流の運動エネルギーが増加することが数値的に確認されている。乱流状態にあるプラズマが自ら帯状流を作り出してその結果乱流エネルギーが減少することを意味しており、これは核融合プラズマにおける閉じ込め改善モードと呼ばれる実験結果を再現したものである。Sugama-Hortonモデルに対して数学解析の研究を行い、終局有界性の証明をすることができた。得られた研究成果を論文にまとめて近日投稿する予定である。
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Research Products
(1 results)