2018 Fiscal Year Research-status Report
ハイブリッド力学系としての二足歩行の吸引領域の形成メカニズムに注目した解析
Project/Area Number |
16K17638
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大林 一平 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 研究員 (30583455)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 応用数学 / 力学系 / 計算トポロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
去年度の「今後の研究」の所に書いた通り、この年度は位相的データ解析の研究のほうに力を入れて研究した。 パーシステントホモロジーと機械学習の組み合わせに関する論文がこの5月に出版された。パーシステントホモロジーはデータの形を定量的に抽出することができ、機械学習はデータに隠されたパターンを発見(学習)することができる。この2つの組み合わせによってデータの特徴的な幾何的パターンを抽出することが可能となる。さらにこれに逆解析という手法を組み合わせることでその特徴的パターンの起源を具体的なかたちとして取り出すこともできる強力な手法である。材料科学データへの応用例や他の画像解析手法との比較なども含まれ、実践的な応用がしやすい結果であると言える。 また、10月にはパーシステントホモロジーの逆問題に関する論文も出版された。この問題では上に挙げた逆解析の新しい手法を提案する論文である。パーシステント図は2次元平面上のヒストグラムとして表現されるが、ヒストグラム上の各点はデータのホモロジー的構造(穴や空洞など)と対応している。この構造を抽出できれば(上の機械学習によるデータ解析のような)データ解析で有用であるが、それは数学的に容易な問題ではない。既存の手法として「ホモロジー最適化」と呼ばれる手法が用いられており、本論文ではそれをパーシステントホモロジーに適する形で利用した新しい手法を開発した。線形計画法で効率的に計算するアルゴリズムも提案し、それを利用可能なソフトウェア実装やそれによる計算例もこの論文で紹介している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の方向性を計算トポロジー関連に変更したのが有効だった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の方向性を継続する。計算トポロジー関連の研究を推進する。また、二足歩行に関しては共同研究者の学生の協力が得られることになったのでそちらの研究も進める。
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Causes of Carryover |
12,000円は出張一回に満たない額なので次年度に繰り越した。旅費等の1,2日分の不足等あればこの金額で調整する。
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