2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K17652
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
井手 勇介 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (70553999)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | equitable partition / 固有空間 / 時間発展作用素 / 感染症過程 / コンタクトプロセス / 量子ウォーク / 量子探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度中に学会発表していた,連続時間量子ウォーク・離散時間量子ウォークの双方について,定義されるグラフのmodular partitionやequitable partitionといった隣接関係によって頂点を同一視・粗視化する手法が,量子ウォークの解析に必要な本質的な固有空間を与える点,についてまとめた論文が出版された.2018年度は,量子ウォークの時間発展作用素について得られた上記の知見について,グラフ上の単純ランダムウォークや感染症過程(コンタクトプロセス)の解析にも適用するための検討を進めた.その結果として,離散時間単純ランダムウォークに対してはその推移確率行列をequitable partitionによって粗視化することによって,本質的な固有空間を議論できることが明らかになった.また,コンタクトプロセスに関しても同様に,対応する分枝過程の挙動を解析する際にはグラフの隣接行列のequitable partitionによる粗視化が有効であることがわかった.これらの成果に関して論文出版には至っていないが,学会発表を行った.関連する成果として,連続時間量子ウォークを用いたグラフ上の探索問題について,equitable partitionによる時間発展作用素の粗視化とスペクトルグラフ理論で議論されてきたperfect state transferの知見を組み合わせることによって,探索の成否を判定する方法を提案できたので,学会発表したうえで,論文・解説記事等を準備している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
離散時間ランダムウォーク・感染症過程(コンタクトプロセス)の両方について,その解析的扱いに必要な固有空間をequitable partitionやスペクトルグラフ理論の知見を援用しながら指定する方法が整備されてきている.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,離散時間ランダムウォーク・感染症過程(コンタクトプロセス)の両方について,その解析的扱いに必要な固有空間を指定する方法をまとめつつ,具体的なグラフに対して適用し,新たな知見が得られるかどうかを検討したい.
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Research Products
(5 results)