2019 Fiscal Year Annual Research Report
A study of finite-time distributions of infection processes on finite graphs
Project/Area Number |
16K17652
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
井手 勇介 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (70553999)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | グラフ分割 / 固有解析 / equitable partition / perfect state transfer / 量子ウォーク / 量子探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は,グラフの隣接行列・グラフラプラシアン・ランダムウォークの推移確率行列等のグラフに付随する行列によって駆動される確率的・量子的ダイナミクスについて,equitable partitionと呼ばれるグラフの隣接関係によって頂点を同一視・粗視化する手法によって,その挙動の解析に必要な固有空間を与えることを整理し,具体的なモデルについて研究を進めた.一つの成果として,連続時間量子ウォークを用いたグラフ上の探索問題について,equitable partitionによる時間発展作用素の粗視化とスペクトルグラフ理論で議論されてきたperfect state transferの知見を組み合わせることによって探索の成否を判定する方法について,学会予稿・解説記事・著書にまとめて発表するとともに,論文執筆を進めている.また,ある種のランダムウォークやコンタクトプロセスに関しても,同様な議論を進めてきていたが,新型コロナウイルス対策の影響もあり,論文にまとめるに至っていないため,継続して議論し,学会発表・論文等による発表へつなげていきたい.関連する成果として,「量子ウォークの新展開」と題した図書を共編著で出版した.この本は,多面的な量子ウォークの数理の新展開を読者がよりよく理解できるよう,従来の数学との関連を意識しつつ,代数,幾何,解析,および確率論的側面からテーマを取り上げるとともに,物理学,工学,情報科学への応用についても解説した書である.
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Research Products
(7 results)