2018 Fiscal Year Annual Research Report
Local Burst-like Star Formation in Galactic Central Region
Project/Area Number |
16K17666
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田中 邦彦 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (00534562)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 星形成 / 分子雲衝突 / 銀河系中心核 |
Outline of Annual Research Achievements |
(最終年度) 1. ALMAによる銀河系中心核リング(Circumnuclear Disk)の炭素原子ガス輝線と(C)高励起CS輝線のイメージング解析を完了した。既知の高密度リング構造に加え、比較的最近に外部から降着したと考えられる低密度ガスの円盤の構造を見出した。円盤内には平均密度の100-1000倍の高密度クランプが複数存在し、中心核近傍での星形成コア形成にとって重要な観測ターゲットになると期待される。 2. 同じくALMAによる衝突分子雲CO-0.3、CO-0,4のイメージング解析を完了した。衝突境界領域のフィラメント構造中に超高密度(10^7-10^8 cm-3))の質量数10-100大量質量のピークを複数発見し、そのうち一つはvirial parameterが2を下回る自己重力束縛にある=星形成可能な状態にある可能性があることを明らかにした。
(研究期間全体) 銀河系中心の星形成活動に関わる諸条件を、(1)物理状態の完全測定 (2)中心核近傍のガス分布の全貌探査 (3)分子雲衝突誘発星団形成の可能性、の三点から研究を進めた。(1)については銀河系中心分子ガスの空間密度分布の初の測定に成功し、特に銀河系中心という極限環境下での星形成活動が可能な数pcスケールでの物理的な条件を定量的に示すことができた。またこの目的の為に新規開発した階層的推定メソッドは多方面への応用が可能である。現在は近傍銀河NGC253の100-370 GHz他帯の超広帯域ラインサーベイデータに適用中であり、爆発的星形成銀河(NGC253)と静穏銀河(銀河系)との違いをもたらす条件を探る新たな研究に用いられている。また(3)では銀河系中心での頻繁な分子雲衝突の予想を確認すると共に、分子雲衝突が少なくとも局所的には星形成を誘発している可能性を示すことができた。
|