2016 Fiscal Year Research-status Report
エマルション望遠鏡気球フライトデータの解析~γ線天体最高解像度イメージング~
Project/Area Number |
16K17691
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
六條 宏紀 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 研究機関研究員 (00725814)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ガンマ線天文学 / 気球実験 / 原子核乾板 / 宇宙線 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年5月に実施したエマルションガンマ線望遠鏡による気球実験において取得したフライトフィルムについて、名古屋大学で開発した超高速飛跡読取装置HTSを用い、記録された飛跡のデジタルデータ化を行った。取得した飛跡データの中から、ガンマ線反応(γ→e+ + e-)を選出するソフトウェアの開発を行った。搭載したフィルムの75%について処理を完了し、10の6乗オーダーの反応を検出した。検出したガンマ線反応の運動力学的分布(運動量分配比、開き角度、不変質量 等)が、geant4によるシミュレーションデータでよく再現できており、十分な選出効率と信頼性が発揮できていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
100MeV帯域のガンマ線に対する角度分解能は期待通りの性能を発揮していることが確認できている。
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Strategy for Future Research Activity |
検出した気球高度でのガンマ線反応を解析し、観測時のバックグラウンドフラックス測定、角度分解能評価、天体観測結果等について成果ををまとめる。本データ解析によって得られた結果を次期気球実験(2018年4月を予定)の検出器デザインにフィードバックし、エマルションガンマ線望遠鏡による高解像科学観測に向け、計画を推進する。
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Causes of Carryover |
年度内に完了を予定していた試験の進行が遅れたため、年度をまたいだスケジュールに変更せざるを得なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該年度中に実施すべき内容の試験を次年度早々に行う計画になっており、早急に差引額を使用する予定である。
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Research Products
(9 results)