2016 Fiscal Year Research-status Report
GAGG結晶を用いたガンマ線と中性子の分別能力を高めた電磁カロリメータの開発
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16K17699
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
外川 学 大阪大学, 理学研究科, 助教 (50455359)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 電磁カロリメタ / 素粒子実験 / 測定器 |
Outline of Annual Research Achievements |
素粒子、原子核実験分野で広く使われている、高エネルギーガンマ線検出器の電磁カロリメタを新たに開発する。特に高レートの実験に対応できるよう早い時間応答の良い物として、最近開発されたGd3Al2Ga3O12(Ce) 結晶 (GAGG 結晶) の開発を進める。 2016年度の達成目標として、1) 長い結晶の製作を依頼し、光量の一様性、透過率など基礎的な性能評価を行う。2) Mg添加物の量を変えた物について、どこまで発光時定数を小さくする事ができるか、またその時の光量を明らかにする。以上の2点を挙げた。 まずは直径2インチ、長さ10 cmの世界初の大型GAGG結晶が製作済みであったので、その性能評価を行った。結果、光電子増倍管の読み出しにおいて、今まで製作していた5 mm角の小さな結晶に対して、1/6程度の光量が得られることがわかった。現在反射、透過率の観点からこの値が理解できるか調査中である。また、光量の長さ方向の位置依存性を調べてみると、10 cmの両端で25%程度の光量差があることがわかった。以上のことは、日本物理学会2016年秋季大会での講演、J-PARCで行われた国際会議HINT2016のポスター発表として、研究室の学生である西宮が報告している。結晶を製作していただいたC&Aコーポレーションと議論し、改善を行った同じ大きさの結晶を2016年度末までに製作した。現在光量、位置依存性の測定を始めている。 また、Mg添加量を変化させた結晶について。0, 0.1, 0.2, 0.5, 1.0 %混ぜた結晶の製作を依頼した。こちらは厚さ1 mm程度の小さな結晶であるが、光電子増倍管での読み出しでCs線源の662 keVピークを測定でき、この測定を元に各濃度間での光量、時定数の比較を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行して借りていた長い結晶の調査から、光量の位置依存性などを調査でき、その結果をフィードバックした結晶の製作を行うことができた。また、Mgを添加した結晶に関しても測定を始めており、2016年度の計画をほぼ予定通り進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度は予定位通り長い結晶の製作と性能調査、Mg添加量による結晶の性能評価の準備を整えたので、まずはこれらの測定結果をまとめる。また、結果を元に、時定数の違う2本のGAGG結晶をつなぎ合わせることで、更に大きな目標である、ガンマ線と中性子の分別能力を高めた電磁カロリメタの製作を進める。 時定数の違う結晶を2本製作し、つなぎ合わせるための適切な光学接続接着剤の選定、表面処理などを考慮し、一体型として製作する。製作後はビームテストにて評価を行う。主には電磁カロリメタとしての性能評価として、東北大学の電子光理学研究センターの(陽)電子ビームの利用を予定している。
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Causes of Carryover |
必要なものを購入後少し財源が余ったので、次年度に繰り越すことにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は後半にテストビームを予定しており、その準備、郵送費などの補填に使用予定。
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Research Products
(2 results)