2018 Fiscal Year Annual Research Report
Toporogical state and its edge state in bosonic and quantum spin systems
Project/Area Number |
16K17751
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
鈴木 隆史 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (40444096)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 量子スピン系 / トポロジカル状態 / キタエフスピン液体 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度,蜂の巣格子ならびに正方格子上のSU(N)スピンを持つ一般化ハイゼンベルク模型の基底状態相図とその端状態について量子モンテカルロ計算で調べた.今年度は2次元Haldane状態と呼ばれるトポロジカル状態が現れる予想されるパラメータ空間で,磁気秩序状態―非磁気秩序状態の境界を明らかにすることを目標に数値計算を進めた.磁気秩序,非磁気秩序状態をそれぞれを特徴付ける秩序変数を定義し,基底状態を調べ,数値計算の結果,磁気秩序,Haldane状態共に秩序自体が極めてに弱いことを明らかにした.上記のテーマに加えて,昨年度に引き続き量子スピン系における新しいトポロジカル状態の一つである蜂の巣格子上キタエフスピン液体とその候補物質に関する研究を進めた.特に候補物質の一つ蜂の巣格子磁性体α-RuCl_3に注目した.これまでの研究から,本物質の磁気的性質を説明する上で,磁気モーメント間に働く相互作用としてキタエフ型相互作用(K)と対称非対角相互作用(Γ)と呼ばれる相互作用が重要であることが指摘されている.また,ごく最近,K-Γ模型でキタエフスピン液体とは区別される量子スピン液体の可能性が指摘され注目を集めている.今年度,蜂の巣格子上のK-Γ模型における相互作用の異方性を調べることで,指摘された新しいスピン液体の可能性について議論した.蜂の巣格子上の相互作用を異方的にすることで得られる2つの異方的極限,すなわちスピン鎖と孤立ダイマーからアプローチすることで新しいスピン液体相が一次元系特有の朝永ラッテインジャー液体状態につながる状態であることを見出した.得られた研究結果について国内学会・研究会で5件,国際学会で5件,論文2報の発表を行った.
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