2018 Fiscal Year Annual Research Report
Merging nonequilibrium statistical mechanics and nonlinear dynamics: energetics of synchronization
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16K17765
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| Research Institution | Nagoya University |
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Principal Investigator |
泉田 勇輝 名古屋大学, 情報学研究科, 助教 (70648815)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 非平衡熱力学 / 非線形動力学 / 低温度差スターリングエンジン / 熱機関 / 効率・仕事率 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である本年度は、低温度差スターリングエンジンの熱力学的性能を明らかにするため、エンジンの非線形力学モデルを用いて非平衡熱力学による解析を進めた。得られた主な成果は以下の通りである。
(1) 回転運動するエンジンの平均角速度は分岐点での熱力学的力（温度差・外部負荷）から十分離れた熱力学的力の下では力に対して線形に振る舞うことが数値計算から明らかとなっている。エンジンのダイナミクスを記述する運動方程式の解析から、この傾きを表す線形近似式を得た。また、回転運動時の平均熱流も分岐点での熱力学的力から十分離れた場所では力に対して線形な振る舞いを示す。この傾きを表す線形近似式も同様に求めた。これら熱力学的流れを表す平均角速度・平均熱流と熱力学的力の間の線形関係式の係数行列はエンジンの物理パラメータの組み合わせで表せ、対称行列となっていることを見出した。
(2) (1)で得られたエンジンの回転運動に対する線形関係式を用いて、最大効率・最大仕事率などの熱力学的性能を与える計算公式を求めた。導出には、線形関係式の係数行列の対称性が重要な役割を果たす。得られた計算公式は線形関係式の係数行列を使って、エンジンの代表的な物理パラメータを含んだ形で得られているため、これらパラメータの調節を通じて、エンジンの熱力学的性能の制御が可能となることが期待される。
さらに線形関係式に対する係数行列の対称性成立の起源に関して継続して研究を行っている。これらの成果はまとまった段階で論文誌に投稿予定である。なお、低温度差スターリングエンジンの回転メカニズムを非線形ダイナミクスの観点から明らかにした昨年度投稿の論文も本年度EPL(Europhysics Letters)誌に受理されている。エンジンの回転メカニズム・熱力学的性能に関する本研究の理論的予測の実験的検証も引き続き期待される。
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