2017 Fiscal Year Annual Research Report
Entanglement between distant quantum memories via quantum frequency conversion
Project/Area Number |
16K17772
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
生田 力三 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (90626475)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 量子エレクトロニクス / 量子情報 / 量子通信 / 波長変換 / エンタングルメント / 量子中継 / 量子メモリ / 冷却原子集団 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、光ファイバー量子ネットワーク実現に向けて、長距離離れた量子メモリ間のエンタングル状態の生成を目標に研究を行った。昨年度、通信波長光子と量子メモリである冷却ルビジウム原子集団 (Rb) 間のエンタングルメントを偏光無依存型の単一光子波長変換器を用いて実現した。しかし波長変換後の状態の最大エンタングル状態に対する忠実度は69%であり十分高い値とは呼べないものであった。本年度、波長変換前後の相互相関関数を解析することにより、この低さの原因が波長変換の際の雑音混入と水平垂直偏光光子間の位相雑音に起因するものであることを突き止めた。適切な対策を施すことで、90%近い忠実度が見込めることが分かった。これらをまとめた論文の掲載が決まった。 実験では、2台目のRb量子メモリの立ち上げを行った。原子冷却条件の最適化を進めている最中である。並行して、非同期光源により発生させた通信波長エンタングル光子対間でエンタングルメントスワッピング実験を行い、84%の高い忠実度を得た。この技術は長距離離れた2者間で同期が容易でない場合の量子通信・中継に役立つ。本成果は論文掲載された。 偏光光子状態はそのままでは光ファイバー中の雑音に弱いが、信号光子と補助光子からなるデコヒーレンスフリー部分空間(DFS)を利用することで状態を保護できる。本年度、現実的な状況設定として、通信波長のエンタングル光子対と補助光子を独立な光源で準備してDFSの実験を行い、1kmの光ファイバー通信に成功した。本成果は学会で発表を行った。 本研究全体として、長距離離れた量子メモリ間のエンタングルメント形成に必要な要素技術を確立することができた。また、高い精度での実験実現に向けた理論解析を行い、将来的な改良についての道筋をつけることができた。2台目の量子メモリ構築の準備も順調に進めることができた。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Polarization insensitive frequency conversion for an atom-photon entanglement distribution via a telecom network2018
Author(s)
Rikizo Ikuta, Toshiki Kobayashi, Tetsuo Kawakami, Shigehito Miki, Masahiro Yabuno, Taro Yamashita, Hirotaka Terai, Masato Koashi, Tetsuya Mukai, Takashi Yamamoto, Nobuyuki Imoto
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Journal Title
Nature Communications
Volume: -
Pages: -
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] High visibility Hong-Ou-Mandel interference via a time-resolved coincidence measurement2017
Author(s)
Yoshiaki Tsujimoto, Yukihiro Sugiura, Motoki Tanaka, Rikizo Ikuta, Shigehito Miki, Taro Yamashita, Hirotaka Terai, Mikio Fujiwara, Takashi Yamamoto, Masato Koashi, Masahide Sasaki, Nobuyuki Imoto
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Journal Title
Optics Express
Volume: 25
Pages: 12069-12080
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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