2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of Arctic mixed-phase stratus clouds with a habit-prediction scheme
Project/Area Number |
16K17803
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
端野 典平 高知工科大学, 環境理工学群, 准教授 (10766520)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 北極混合相層状雲 / 3次元LES / 晶癖 / 氷晶核形成 / 雲レーダ / ライダ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は以下である。SHEBAの事例に関しては、晶癖と氷晶核形成過程の関係をLESで再現し、雲水が凍結する大きさと六角平板の軸比に関係があることを示した。また、粗粒モードのエアロゾルに起因する、大きい雲水粒子の凍結が重要であることを示した。この結果を論文にまとめ投稿し、現在、推敲中である。ISDACの事例に関しても、実験設定を検討し、雲レーダ観測と良好な比較結果を得ることができた。 本年度の2月に、研究協力者であるコロラド州立大学のDr. de Boerを訪問し、SHEBAとISDACの再現実験の結果や、現在進行中の北極観測の再現実験、執筆中の論文について議論した。また、ウィスコンシン州立大学のDr. Tripoliを訪問、本プロジェクトの成果をセミナーで発表し、力学モデルについて助言いただいた。 研究目的のテーマ1:晶癖予測モデルの評価について;雲レーダの観測、及び飛行機観測による粒径分布によく一致する雲を再現することができた。ただしここで調整した重要なパラメータは、凍結効率に関するパラメータである。 研究目的のテーマ2:雲水浸水凍結仮説の妥当性について;SHEBAの1事例に関してこの凍結過程により観測結果を再現することができたが、氷粒子の過冷却層からの落下が大事であることは、まだ示していない。溶解物質による凍結温度の低下は重要ではなく、氷晶核の大きさが最も感度が大きいことが示された。また上昇流により雲底の下からエアロゾルが雲に入り込み、雲低付近で活発な凍結が起こりうることを明らかにした。 研究目的のテーマ3:雲水浸水凍結仮説と晶癖の関係について;凍結する雲水の大きさと六角平板の軸比に関係があることが示された。凝結成長の非線形性により、小さい雲水は最大粒径が大きく軸比が小さい(薄い)六角平板になる。ライダの偏光解消度を用いた晶癖の検討は、今後の課題である。
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Research Products
(3 results)