2016 Fiscal Year Research-status Report
太陽風粒子の熱構造発展の解明に向けた超小型磁場観測器の開発研究
Project/Area Number |
16K17815
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
野村 麗子 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 宇宙航空プロジェクト研究員 (30637690)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アナログASIC / フラックスゲート磁力計 |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙探査機搭載用の磁場観測器(フラックスゲート磁力計)の大幅な小型・軽量化実現のため,アナログASIC回路を組み込んだ新方式フラックスゲート磁力計について,今年度は以下の項目について研究開発を進めた. 1.独自開発したアナログASIC回路を磁力計の信号処理部に組み込み,回路シミュレーションをもちいてノイズ,オフセットの温度特性,入出力の周波数特性及び線型性の性能評価を実施した.その結果,新方式磁力計は従来式と比較して遜色なく動作可能であることを明らかにした.また,アナログASIC回路に組み込むことができない部品について,伝達関数の計算から外部回路として設計した. 2.アナログASIC回路を含む新方式磁力計の信号処理回路を試作し,実機での性能評価とシミュレーション結果との比較をおこなった.その結果,回路シミュレーションで予想された性能を概ね実現できていることがわかった. 3.宇宙空間でのフライト実証を目的として,SS-520-3号機観測ロケットに搭載するための,アナログASIC回路を含む新方式磁力計の信号処理回路を製作した.磁力計としての性能評価後,較正試験による感度・アライメントの決定と,環境試験(温度,真空,振動)を実施した.
今後は,2017年冬季に打上げ予定のSS-520-3号機観測ロケット実験において,磁場観測データを解析することによって,宇宙空間フライト時の動作チェックを実施し,宇宙探査機搭載に向けての実現性を高める.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大幅な小型・軽量化を目指したアナログASIC回路を組み込んだ新方式フラックスゲート磁力計について,回路シミュレーションによる性能評価から実機製作及び性能評価まで実現した.とくに,宇宙空間でのフライト実証に向けて,観測ロケット搭載用の磁場観測器を製作するなど,進展が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
2017年冬季に打上げ予定のSS-520-3号機観測ロケット実験において,磁場観測データを解析することによって磁場観測器としての課題点を捻出し,アナログASIC回路の再設計に向けての検討を実施する.とくにノイズやオフセットの温度特性・長時間安定性について着目し,宇宙探査機搭載に向けての実現性を高める.
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