2017 Fiscal Year Annual Research Report
Rheological weakening due to phase mixing in olivine + orthopyroxene rocks
Project/Area Number |
16K17832
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
田阪 美樹 島根大学, 総合理工学研究科, 講師 (80772243)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | かんらん石 / 輝石 / 鉱物混合層 / 歪み弱化 / 拡散速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
歪み集中帯の中心部では2種類以上の鉱物が均一に混ざった、鉱物混合層が観察される。先行研究によると鉱物混合層の粒径は小さく、従ってそこでの粘性は低く保たれることから、混合層は歪み集中帯の強度を決めると考えられている。しかし、これまで大きな歪みを伴う変形実験が技術的に難しかったために、「どのように細粒鉱物混合層が形成され、歪みが集中していくのか?」は未解決の問題として残されている。そこで本研究では、独自の工夫に基づき大変形を伴うかんらん岩ねじり実験を行い、また実験から得られた変形特性や岩石組織に基づき天然岩石の解析を行うことで、鉱物混合層形成と歪み集中の過程を明らかにすることを目的とする。 昨年度まで得たかんらん石74%+斜方輝石26%の体積分率の多結晶体を使い歪み速度、歪み量の違う実験を8回行い、歪み集中に伴う変形メカニズムの変化を得た。せん断歪み200%から2700%のねじり実験に成功し、細粒鉱物混合層形成に伴う応力・歪速度データを得ることができた。 低応力(~80MPa)・低歪み量(200%)の実験から、出発試料の粒径(~10um)より細粒で丸い粒子(< 1um)が、かんらん石と輝石それぞれの粒界に確認できた。これは変形による応力勾配で、かんらん石中の酸化メタル(MeO)が粒界を移動する「変形に起因する物質拡散」により説明できる。同様の組織が天然でも観察されることから、歪み集中帯形成初期の変形組織を実験から観察できたと言える。 上記の結果をまとめ、国際誌JGRに2本組みの姉妹論文として投稿し受理された。また本研究の内容が認められAGU Research Spotlight賞を得た。Tasaka et al. (2017a) (2017b)Journal of Geophysical Research- Solid Earth.
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Research Products
(7 results)