2019 Fiscal Year Annual Research Report
Spontaneous internal transport barrier formation in flux-driven turbulence with kinetic electron dynamics
Project/Area Number |
16K17844
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今寺 賢志 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (90607839)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 核融合 / 大規模シミュレーション / ジャイロ運動論 / 乱流輸送 / 内部輸送障壁 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の断熱電子のケースでは内部輸送障壁形成のために一定量以上の運動量入射を必要としていたのに対して、最終年度に行った運動論的電子のケースでは、安全係数が極小値をとる半径位置近傍において強い径電場シアが形成されることで、運動量入射をせずとも内部輸送障壁が自発的に形成されることが明らかとなった。これは、イオン温度勾配不安定モードのポロイダル非対称性に起因したロバストな順方向のトロイダル自発回転が、運動論的電子ダイナミックスによって増大したためと考えられる。 この点に着目し本研究ではさらに、従来のイオン加熱に加え電子加熱を行うことで、捕捉電子モードと呼ばれるイオン温度勾配モードと逆のポロイダル非対称性を持った乱流を選択的に励起した結果、内側領域では捕捉電子モードによる逆方向のトロイダル回転、外側領域ではイオン温度勾配モードによる順方向のトロイダル回転が駆動されることで、力学的平衡を介して径電場シアが増大し、結果としてより強い内部輸送障壁が形成された。これは加熱方法によって自発回転や径電場シア、内部輸送障壁の制御が可能であることを示唆している。 以上から研究期間全体を通した総括としては、大規模並列計算に対するコードの最適化や特異点近傍における保存性を担保した数値計算スキームの開発などの数値計算手法の拡張に加え、運動論的電子モデルの導入などの物理モデルの拡張を行うことで、当初の目標であった内部輸送障壁の自発形成を熱源駆動型運動論シミュレーションでは世界で初めて再現することに成功した。
|
Research Products
(16 results)