2016 Fiscal Year Research-status Report
固体-プラズマハイブリッドカソードを用いたレーザー駆動高強度短パルス電子源の実証
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16K17845
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 峻介 京都大学, 化学研究所, 助教 (40724711)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高強度レーザー / 短パルス電子源 / 高強度電子源 |
Outline of Annual Research Achievements |
物質が超高速に変化する様子を直接観測することが可能となれば、基礎物理や物質科学をはじめとする広範な分野の基礎研究に発展をもたらす。短パルス電子源はこれを可能にする魅力的な放射線源の一つとして、近年精力的に研究されている。パルス幅が短く、1パルスあたりの電子数の多い高強度短パルス電子源を開発できるか否かが、超高速現象研究の発展の鍵を握っている。しかし、フォトカソードRF電子銃やフォトカソードDC電子銃に代表される従来型の電子源は、空間電荷効果のために電子の短パルス化と高強度化の両立が本質的に困難であるという問題を抱えている。さらに、フォトカソード表面の光学損傷のため、1パルスあたりの電子数を飛躍的に増大させることが難しい。 これに対し、高強度フェムト秒レーザーにより加速される電子パルスは空間電荷効果や光学損傷の問題がなく、新たな高強度短パルス電子源としての可能性を秘めいている。我々はこれまでに、高強度フェムト秒レーザーと固体薄膜の相互作用による電子加速の際、固体にあらかじめプラズマを付加した物質を電子源のためのカソードとして用いることで、電子の数が1pCを超える超高強度電子源の実証に成功している。本研究では、この固体-プラズマハイブリッドカソードを用いることで、パルス幅が100fs以下であり、1パルスあたりの電子数が1pCを超える、世界最高の超強度短パルス電子源の実証を目指した。 本年度は、これまでの研究により得られている固体-プラズマハイブリッドカソードの特性に関する知見を基に、短パルス電子ビーム発生装置へ実装可能なカソードの設計を行った。さらに磁気パルス圧縮器を用いた短パルス電子ビーム発生装置の設計・製作を行い、固体-プラズマハイブリッドカソードの実装を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請当初の計画通り、固体-プラズマハイブリッドカソードの設計を遂行し、次年度遂行の予定であった短パルス電子ビーム発生装置の設計製作、カソードのインストールを実施できたため、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題における平成29年度の研究計画は、電子光学系及び磁気パルス圧縮器の設計・製作、及びこれを用いた高強度・短パルス電子発生の実証であった。電子光学系及び磁気パルス圧縮器の設計・製作は実施済みであり、当初の予定通り、電子パルス幅の測定を行うとともに、固体-プラズマハイブリッドカソードの調整を行い、超強度短パルス電子源の実証を目指す。
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