2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel method to generate nitrogen-centered radical species and its application to amination reactions
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16K17868
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清川 謙介 大阪大学, 工学研究科, 助教 (80632364)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 超原子価ヨウ素 / ヨウ素 / アミノ化 / ラジカル |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、フタルイミダートを有する超原子価ヨウ素反応剤からの窒素ラジカル種の高効率発生法の開発、および芳香族C-H結合アミノ化反応への展開を目指し種々検討した。まずは、超原子価ヨウ素反応剤の再設計、および合成を検討した。例えば、フタルイミド部位に電子供与性、および求引性置換基を導入し、その反応性をチューニングすることを試みたが、合成には至らなかった。また、カルボニル部位を変化させることで金属種との配位効率、および反応性を調整する事が可能であると考え、カルボニル基に代えてアルコキシ部位を有する超原子価ヨウ素反応剤を合成し、芳香族C-H結合アミノ化反応へと適用したが、反応効率の向上には至らなかった。その他に、インドールなどの複素芳香族化合物との反応を検討したが、目的とする反応は効率的には進行しなかった。 前年度見出した、エノールシリルエーテルとの反応についても引き続き検討した。本反応を促進させる触媒について精査した結果、ヨウ化物が効果的であることを明らかにした。また、本反応の基質一般性を検証するために、種々のケトン由来のシリルエノールエーテルを合成し、フタルイミダートを有する超原子価ヨウ素反応剤との反応を検討したところ、それぞれ効率よく対応するα-アミノケトンを与えることがわかった。 以上のように、本研究課題の目的である、フタルイミダートを有する超原子価ヨウ素反応剤からの窒素ラジカル種の高効率発生法の開発、および芳香族C-H結合アミノ化反応への展開の達成には至らなかったが、窒素ラジカル種の高効率発生法の開発に関する様々な知見が得られたことは、一定の成果であると考えている。また、本研究課題を推進する中で、エノールシリルエーテルの効率的なα-アミノ化を見出し、フタルイミダートを有する超原子価ヨウ素反応剤の新たな反応性を開拓することができた。
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Research Products
(12 results)