2018 Fiscal Year Annual Research Report
Dehydrogenative Oxidation of Alcohols Promoted by Multi-functionalized Iron Complex
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16K17880
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
神谷 昌宏 北里大学, 理学部, 助教 (40758447)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 鉄錯体 / アルコール酸化 / 水素発生 / 触媒反応 / 有機合成反応 / 水素貯蔵 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は標的の錯体に関する合成とその反応性の解明に主眼を置いて研究を進め、目的とする錯体分子の合成ならびに最重要課題であった基質制限の克服を達成した。一方、従来の鉄錯体触媒(TON67000、TOF3500/h)と比較すると大幅な触媒効率の低下(TON200)が見られた。次年度は触媒効率の向上を目指し、計算化学、実験的手法により配位子の選択による触媒効率への影響を調査し、効率的な反応のための有望な配位子の選定を行った。最終年度では、これまでの知見をもとにさらに新規の鉄錯体を合成し、脱水素反応の効率化を目指して種々検討を行った。その結果、触媒の改良により反応の効率を改善し、多様な基質に対して効率的に脱水素反応が進行する鉄触媒を見出した。また、触媒の改良に伴う反応効率の向上により、低温でも反応が進行することを見出した。これにより、エタノールなどの低沸点化合物にも脱水素反応が適応可能となった。本反応は酸化剤や添加物が不要なアルコールの酸化反応であるため、高原子効率な有機合成反応としても有用である。加えて、エタノールなどの低沸点化合物はバイオマスなどの資源からも容易に製造可能(バイオアルコール)であることから、水素貯蔵媒体としても有望な化合物として挙げられている。本研究の推進により、以前は達成できなかったエタノールからの水素発生型酸化反応が可能となったことで、アルコールの水素貯蔵としての利用も期待できる。
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Research Products
(9 results)