Development of water soluble mechanoresponsive luminescent materials with extended photofunction and the application to living tissues

2017 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16K17885
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 相良 剛光 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (60767292)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2018-03-31
• Keywords: 超分子化学 / 発光材料 / 分子集合体 / 刺激応答性材料 / 両親媒性化合物

Outline of Annual Research Achievements

近年、分子集合体に基づく機械的刺激応答性発光材料が多数報告されている。しかし、これまでの報告の中で、生体応用が期待できるにもかかわらず、水溶性の材料の報告例は極めて限られている。本研究では先行研究で報告した繭状分子集合体とは異なる発光色変化挙動を示す両親媒性化合物を基に、大きな発光色変化を示す水溶性分子集合体の開発を目指した。
平成28年度では、新しく見つかった両親媒性分子が示す機械的刺激応答性の原因を解明するため、分子骨格を簡略化したモデル化合物を複数設計・合成した。
本年度は、前年度で得られた知見を基に、同じ蛍光団に水溶性のデンドロンをアミド基を介して二つ導入した両親媒性分子を設計・合成し、その外部刺激応答性を詳細に調べた。化合物によっては、機械的刺激を印加された後に、水蒸気に曝露されることにより、発光スペクトルが若干長波長にシフトすることが観察され、さらに、メタノール蒸気にさらすと機械的刺激を印加する前の発光色に回復するという面白い現象が観察された。また、既に前年度において実施していた透過型電子顕微鏡においてファイバー状の分子集合体が観察されていたが、本年度、さらに詳しく解析を行ったところ、機械的刺激を受けて切断されたファイバーは、その切断箇所で繭状の分子集合体を形成していることがわかった。この繭状の分子集合体は先行研究で報告した繭状分子集合体を大きさ、形状がほぼ同じであることから、先行研究の両親媒性分子が形成する分子集合構造とほぼ同じ集合構造を形成していると考えられる。すなわち、ファイバー状の分子集合体から切断箇所のミセル状分子集合体にエネルギー移動が起き、機械的刺激に応答して発光色が変化したと推測している。