2017 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of functional expression and properties control of the supramolecular cross-linked elastomers
Project/Area Number |
16K17910
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
青木 大輔 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (80736950)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ロタキサン架橋 / ロタキサン / エラストマー / 架橋 / 高分子[2]ロタキサン / ビニルモノマー / 超分子架橋剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、汎用高分子を新たな素材・材料へと改変させる構造明確な「超分子架橋剤」を開発することで、超分子架橋に裏付けされた特異な強靱性を発現する新規高分子材料の創製を目指す。初年度(平成28年度)には、汎用高分子の架橋点に、簡便に空間結合を導入できる超分子架橋剤として、重合活性基を軸成分、輪成分にそれぞれ一つずつ有するロタキサン架橋剤を合成し、ビニルモノマーと共重合させることで種々のロタキサン架橋高分子(RCP)を得た。さらに、得られたRCPの物性評価から、従来の架橋高分子と比べて破断ひずみ・強度が大きいことを明らかとしていた。このようなRCPの特異な物性発現メカニズムを解明するために、本年度(平成29年度)では、「輪成分の運動性」に影響を与える軸成分の「嵩高さ」が異なる種々の構造明確な超分子架橋剤を合成した。得られた運動性の異なるそれぞれの架橋剤を、n-ブチルアクリレートのラジカル重合に添加することでRCPとし、それぞれの物性を引張り試験によって評価したところ、架橋点の運動性によって大きく応力-歪み曲線が異なることを明らかにした。一般に架橋高分子の物性は、架橋密度や均一性、架橋点間距離、分子間の絡まり合いによって決まるとされている。しかし、本研究課題で報告したRCPにおいては、「輪成分の運動性」がその物性を支配するという、新しい超分子架橋論の一端を明らかにすることに成功した。
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Research Products
(26 results)