2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of quantitative analysis methods for DNA adducts using selective enzymatic treatment
Project/Area Number |
16K17924
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 博哉 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (40515128)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | DNA付加体 / 網羅的 / 固相抽出 / HILIC |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題では、ガン化などの原因となると考えられているDNA付加体の新規な網羅的定量手法の確立を目指し、分析手法の高性能化について検討を進めている。平成30年度は、前処理手法の開発、分離系およびESI-MS/MSの高感度などについて検討を進めた。 その中でも前処理手法の開発においては、昨年度より検討を進めてきていたHydrophilic-lipophilic balance(HLB)タイプの逆相型固相抽出用吸着分離剤について、新たに親水性モノマーとしてペンダント型のモノマーを3種類選択し、疎水性モノマーであるジビニルベンゼンとの組成比や細孔物性について最適化を行った。これらの条件を最適化した結果、高性能な逆相型の吸着分離剤の開発を達成した。 さらに、市販の逆相型固相抽出法では捕捉困難なものの捕捉を可能にするため、その他の抽出分離モードについての検討を並行して進めた。主に水溶性化合物の抽出分離に有用なhydrophilic interaction chromatography(HILIC)型の固相抽出用吸着分離剤の開発も行った。HILICでは、固定相における水和層への分配により分析対象物が捕捉される機構である。そこで親水性基剤樹脂に対して、水和層形成が期待できる親水性化合物を修飾することにより、HILIC型固相抽出用吸着分離剤の開発を進めた。その一つとして核酸塩基であるアデニンを修飾した吸着分離剤は、明確にHILICモードを発現し、プリン環およびピリミジン環を有する水溶性化合物を高度に抽出できることを明らかにした。さらにそのアデニン修飾型の吸着分離剤では、分配モードでの捕捉に加えて、水素結合等の二次効果相互作用に由来すると推測される捕捉の特異性についても確認することができた。
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Research Products
(12 results)