2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K17945
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桑村 直人 大阪大学, 理学研究科, 助教 (80643791)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 電気化学 / 多核金属錯体 / 異種金属錯体 / チオラト錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、非レア金属と天然アミノ酸からなる多核金属錯体触媒の構築と、水還元触媒機能の開発について検討した。 昨年度は、ペニシラミンをもつジアンミン白金(II)単核錯体の合成と、その遷移金属イオンとの反応性および得た生成物の電気化学挙動の調査を行った。パラジウム(II)-白金(II)錯体は、グラッシーカーボン電極上において、溶媒の水分子を活性化し、水素を発生することが分かった。 今年度は、中心金属イオンを銅(II)イオンに変えた多核金属錯体の合成およびその集積化挙動を調査した。その結果、銅(II)イオンの配位構造が、用いる第3の金属イオンの種類に応じて変わることが明らかになった。さらにそれらの電気化学挙動を調べたところ、水分子を活性化できることが明らかになり、その挙動が銅イオンの配位構造の違いによって変わることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、含硫アミノ酸と金属イオンから錯体合成に成功している。これまでに明らかにされている錯体群を含め、今回新たに白金(II)錯体ユニットをベースとした銅(II)錯体群の合成を達成した。さらに、それらの水を活性化する機能についても調査を進め、金属イオン活性中心の配位構造が機能性に与える影響も見出しており、研究は順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
様々な金属イオンの組み合わせからなる異種金属錯体群の単離にこれまで成功している。今年度は第二・第三周期の金属イオンを第一周期の金属イオンに置き換えた効果を重点的に研究した。今後はこれらの複合系についても追求して行く。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、前年度までに合成した化合物の分析や構造解析に経費を要した。従って、放射光分析費などのその他経費が必要となった。一方で、当初予定していた化合物合成に対しては前年度に合成したサンプルの在庫があり、購入費を抑えられた。 平成30年度は、29年度の残額を用いて、新たな金属錯体の合成おこない、より良いデータ取得を目指す。
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Research Products
(9 results)