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2016 Fiscal Year Research-status Report

新規光触媒反応サイクルによる非人工光合成型二酸化炭素資源化プロセスの開発

Research Project

Project/Area Number 16K17964
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

高島 舞  北海道大学, 触媒科学研究所, 助教 (10772345)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords二酸化炭素資源化 / 光触媒 / 一酸化炭素 / 銀化合物
Outline of Annual Research Achievements

本研究では「酸化銀サイクル」すなわち,(a)光触媒上の酸化銀に二酸化炭素を含む気体を流通させることで炭酸銀を形成させ,(b)光触媒反応により炭酸銀を酸化分解させて一酸化炭素と酸素を生成させ,さらに,(c)生じた金属銀を空気中の酸素で熱反応(あるいは光反応,光触媒反応)によって酸化銀に再生させるプロセスの有効性を実証することにより,真に実用化可能な化学プロセスとしての二酸化炭素の資源化法を開発することが目的である.
本年度は,酸化チタンなどの金属酸化物光触媒上に炭酸銀を析出させ,炭酸銀サイクルの中核である固相光触媒反応による一酸化炭素と酸素の生成(ステップb)を確認した.まず,生成する気体が微量であり検出が難しいことが予想されるため,容積をできるだけ小さくしたガラス製の反応セルの作製および光学系の選定および導入・構築を行った.次に,炭酸銀は,(A)炭酸銀と光触媒の混合スラリーの乾燥,あるいは,(B)光析出法により光触媒上に金属銀を析出させたものを,酸素あるいはオゾン含有酸素気流中で焼成して酸化銀とした後,二酸化炭素と反応させるなどの方法を用いて析出させた.炭酸銀は熱に弱いため(A)のものは乾燥させた段階で酸化銀になった.次に,不活性雰囲気中において,主要設備として用いた高強度UV-LED光源(365 nm/最高1 W cm-2程度)を用いて光を照射し生成ガスの確認を行った.光照射後,炭酸銀の色が銀色から紫色に変化し,酸化銀ができたことが伺えたが,生成ガスは二酸化炭素と酸素のみであり,残留する水が酸化されている可能性が高いため,次年度では系の脱水を試みる.また,様々な測定機器を用いての生成物の分析も行っていく予定である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は,ステップbが提案したサイクルの実現可否の中核を担っているため,ステップbが実現できれば他のステップの実現および最適条件の決定はさほど難しくないと考えている.現時点では従来の報告通り二酸化炭素の生成しか確認できていないが,その対策は次の項で説明する.また,構築した反応系および生成したガスの測定系においては 2 nmol程度の一酸化炭素が生成すれば検出できるように測定条件を最適化できている.さらに,炭素の起源を特定するための炭素13でラベルした二酸化炭素を準備しており,一酸化炭素生成確認後はすぐにGC-MSを用いて確認を行える状態にある.

Strategy for Future Research Activity

まずは,一酸化炭素の生成確認を最優先ですすめる.炭酸銀に光照射させた場合,現時点では従来の報告通り二酸化炭素の生成しか確認できていないが,おそらく(i)炭酸銀と光触媒の接触状態が悪い,もしくは,(ii)反応系中に水が残存しているためである.対策としては,炭酸銀と光触媒の接触状態を電子顕微鏡で確認したのち,必要であれば接触を改善するために熱処理などを行ったり,反応系の脱水を行ったりの処理を予定している.また,作製した試料および反応前後の炭酸銀の組成と状態を,粉末X線回折,X線光電子分光法などによって確認する.なお,京都大学の吉田らのグループではチタン酸カルシウム上に光析出により担持させた金属銀を用い,水と二酸化炭素からの一酸化炭素生成に成功しており,その選択率も94.4%と高いことから,試用する光触媒を酸化チタン以外に拡大して高活性なものを探索することも視野に入れている.
ステップbが確認できた後にはステップaおよびcに移り,各ステップでの銀化合物の状態は赤外吸収スペクトルにより確認等を行いながら酸化銀サイクルを確立する.

Causes of Carryover

妊娠および産前休暇により,今年度後半は計画通りの学術会議への参加および発表を行うことができなかったため.

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度は基本的には計画通りの助成金使用予定であるが,これまでの研究により,多光子移動反応において照射光強度ではなく照射光密度が反応活性を高めるために重要であることが見出されているため,今年度導入した高強度のUV-LED光源の照射光密度をあげるために集光レンズの購入を計画している.

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Book (1 results)

  • [Book] 光触媒/光半導体を利用した人工光合成 技術から実装技術への発展を目指して―2017

    • Author(s)
      高島舞,大谷文章
    • Total Pages
      238(39,47)
    • Publisher
      エヌ・ティー・エス

URL: 

Published: 2018-01-16  

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