2017 Fiscal Year Annual Research Report
Ultimate molecular orientation for enhancement of light-outcoupling efficiency in organic light-emitting diodes
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16K17972
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小簑 剛 九州大学, 分子システムデバイス国際リーダー教育センター, 助教 (20547301)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 分子配向 / 熱活性化遅延蛍光 / 有機EL / 角度依存PL測定 / EL光取出し / 光学解析 / 一次元配向 / トランスファーマトリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、ホストマトリックス中に分散したゲスト分子の配向を制御し、40±1%のEL光取り出し効率の達成を目標として研究を進めた。その結果、高いEL発光効率を有する熱活性化遅延蛍光材料の一種であるCis-BOX2をゲスト分子として利用することで、36-39%のEL光取出し効率を得ることに成功した。さらに、水平配向の支配因子を探る研究を展開し、分子の1次構造の異方性が重要であることを見出した。 当初目標が早期に達成されたため、H29年度からは本研究課題が扱う材料系を蒸着膜から、より簡単な成膜法であるスピンコート膜に拡張した。これまで高分子の配向制御についての報告はあるが、ホストにドープされたゲスト分子の配向制御性は明らかでない。具体的には、最近、我々のグループが、オリゴフルオレン:CBP薄膜において水平配向性が得られ、分子長が長いほどその水平配向性が高まることを見出しているものの、その機構は不明であった。そこで、当該の機構が溶液流動によるものと仮定し、それを検証する実験を行った。溶液流動によって配向性が発現するのであれば、流動方向を一次元にすることで基板面内の分子配向を制御できるはずである。そこで、基板上にマイクロメータースケールのグレーティングを施し、1次元の溶液流動を実現し得る基板を作製してスピンコート膜を成膜した。その結果、予想通りにオリゴフルオレンが面内配向性を示し、配向形成機構が溶液流動に起因することを証明した。 さらに、光学解析に明るくない研究者でも容易にゲスト分子を解析し、本研究課題が目指す高い光取り出し効率をさらに向上させるための研究にも着手した。通常、ゲスト分子の配向評価にはトランスファーマトリックス法によるシミュレーションが必要となるが、実験データから直接的に配向秩序パラメータが解析し得ることを数学的に示した。このことにより、分子配向制御に取り組む研究者数の増加が期待される。
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Research Products
(22 results)