2017 Fiscal Year Research-status Report
溶融金属積層と切削加工の複合加工を可能にするCAMおよび工程設計システムの開発
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16K17995
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
阿部 壮志 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (60756469)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 積層造形 / アディティブ・マニュファクチャリング / アーク放電 / ワイヤ / アーク溶接 / CAM / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
大型機械部品や金型を迅速に造形可能なアーク放電・ワイヤ材料方式の積層技術である溶融金属積層法と切削加工を効果的に組み合わせた,積層造形・切削加工の複合加工を可能にするCAMおよび工程設計システムの開発を目的とし,造形形状の最小単位を定義した.その最小単位について造形物形状特性を調査した.本年度は特に,ラティス構造造形のための柱状形状造形と,中実形状造形のためのビードを水平方向に並べて積層する場合について検討した. 1)柱状造形時の電流,電圧,放電時間および待機時間などの造形条件と,造形物形状の関係を調査した.放電時間が造形物形状,特に造形高さに与える影響が大きいことを明らかにし,造形物形状を制御可能にした.また,得られた柱形状造形技術を用いて,ラティス構造を造形するためのCAMを開発した.これにより任意の領域を選択することによりラティス構造を造形するための積層パスおよび条件が出力可能になった. 2)中実造形を行うために,ビードオンプレート時の造形物形状と電流,トーチ送り速度などの造形条件の関係を明らかにした.また,ビードを水平方向に並べて造形する際の,造形間の待機時間やクロスフィード量と造形物形状の関係を明らかにした.十分な入熱を与える条件下では,トーチ傾斜角度が造形物形状に与える条件は小さいことが明らかになった.中実形状を高精度に造形するための造形条件の決定方法を提案し,その効果の実験的な検証を開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中実形状やシェル形状を構成する造形方法について,造形形状と造形条件の関係を実験的に知見を得ることができている.これに加えて,当初は想定していなかったラティス構造を造形するための造形条件に関する実験やCAMの開発も実施することができたため
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Strategy for Future Research Activity |
AMと切削加工の複合加工工程設計システムを開発する. 1)目標形状と素材形状の差分をとり造形形状,切削による除去形状を算出するプログラムを作成 2)造形形状,切削による除去形状から加工時間,材料消費量を算出するプログラムの作成 3)上記のプログラムを利用して,加工時間,材料消費量などの観点から適切な素材形状や加工工程を探索するアルゴリズムを開発する.
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Causes of Carryover |
当初の予定よりも効率的に実験を遂行することができ,出張等も想定より少なかったため次年度使用額が生じた.翌年度は実験計画を見直し,試行回数を増やして適切に使用する.
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