2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on realization of cutting process by phase transformation control of super elastic shape memory alloy for advanced medical applications
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16K17997
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| Research Institution | Shizuoka University |
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Principal Investigator |
静 弘生 静岡大学, 工学部, 助教 (80552570)
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2016-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | TiNi合金 / ニッケルチタン合金 / 超弾性 / 形状記憶合金 / マルテンサイト変態 / 相変態制御 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究では，材料の超弾性により被削材が弾性回復する影響で切削送りを停止させても切りくずが生成されることを明らかにした．このことから，平成29年度は切削速度や送りなどの切削条件と，すくい角や逃げ角などの工具形状を変化させてTiNi合金の切削現象解明と最適切削条件の検討を行った．その結果，送りを停止させた時（非切削時）には切削条件に関係なくほぼ一定量の切削抵抗が発生することがわかった．これは切削条件にかかわらず，被削材が常にほぼ一定の弾性回復を示すことを示唆していることから，この改善策としてすくい角や逃げ角を変化させた実験を行った．その結果，すくい角の変化は弾性回復現象にほとんど影響しないものの，逃げ角の変化は切削抵抗や工具摩耗の低減に効果を示すことを明らかにした．しかしながら，逃げ角は10度以上大きくしても切削抵抗改善効果は見られないことがわかった．
更に平成29年度はTiNi合金の切りくず生成メカニズムの検証のために，超精密加工機を用いた微細切削加工を行いTiNi合金の結晶がどのように変化して切りくずが生成されるか検証を行った．その結果，TiNi合金の微細切削では，仕上げ面に凹凸が見られることがわかった．これは被削材の結晶方位によってヤング率等の機械的性質が異なることに起因することが示唆された．さらに，仕上げ面には被削材が加工時にマルテンサイト変態したことを示唆する表面突起が見られた．また，切りくず観察結果より，切削前に5～10μmの大きさであった結晶粒が1μm以下にまで変形していることがわかった．以上の結果より，TiNi合金の難削性はこれらの相変態と結晶の大変形によるものであることを明らかにするとともに，微細加工条件がこの合金の切削加工方法として適切であることを明らかにした．
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