2017 Fiscal Year Annual Research Report
High sensitive inspection chip for influenza virus based on the local surface plasmon resonance
Project/Area Number |
16K18000
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute |
Principal Investigator |
紋川 亮 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 開発本部開発第二部バイオ応用技術グループ, 主任研究員 (10399397)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 局在プラズモン共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、金ドットパターン上においてLSPR場が均一に結合するプラズモンナノアンテナ現象が発生することをFDTDシミュレーションにより明らかにした。特に、径400nm、中心間距離800nmの金ナノドットパターンは、たった1個のタンパク質を検出できる。これは、ナノアンテナ現象により、わずかなタンパク質の存在を増幅することができたためであると考えている。本研究は、これらの成果をインフルエンザウイルスの超高感度迅速検出システムに応用できると考えている。 1.ナノインプリント法による金ナノパターンの作製 ナノインプリント法による金ナノパターンの作製には、石英と金の密着性向上のためCrやTi等の接着金属が必要である。しかし、誘電体である金属膜の存在は、LSPRスペクトルの特性に影響を及ぼす。そこで、金属膜を加熱酸化し、密着性と検出感度を向上させた金ナノパターンチップを開発した。 2.シアル酸の構造の違いを利用した認識部位の作製と検出チップの性能評価 これまでの実験の結果、抗原・抗体反応では、抗体をチップ上に結合させた時点でシフト量が飽和に達し、微量の抗原を検出することができないことが明らかになった。本課題を解決するために、低分子かつ認識・識別能力が高いシアル糖鎖を用いた検出チップを作製した。LSPRスペクトルは、1fg/mlのトリインフルエンザウイルス(H5N1)を滴下することにより、高波長側にシフトする。一方、ヒトインフルエンザウイルス(H1N1)については、1pg/mlを滴下後ほとんどシフトしない。この結果、開発した検査チップは、PCR法と同等の検出感度での検査を10分程度で実現可能であることが明らかになった。開発した検出チップは、本申請で提案する大面積ナノインプリント法により、安価で超高感度なウイルス検査チップを実用化することが可能であり、十分実行可能であると期待される。
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