2016 Fiscal Year Research-status Report
チョウの飛翔メカニズムの解明と超小型飛翔体への応用
Project/Area Number |
16K18012
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鈴木 康祐 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (10735179)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 羽ばたき飛翔 / 飛行性能 / 翼の形状 / 翼の質量 / 羽ばたき機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,チョウを模した羽ばたき翼-胴体モデルに種々の要素を付与して洗練化し,それぞれの要素が飛行性能に与える影響を明らかにするとともに,各要素において最も飛行性能の優れた最適なパラメタを明らかにして実際のチョウと比較することを目的としている.また,その知見を用いて超小型飛翔体の開発を目指している. 平成28年度は,上記の目的のために,(1)翼の形状の影響,(2)翼の質量の影響を調べるとともに,超小型飛翔体への応用として(3)羽ばたき角と迎角を変化させる機構の設計と作製に取り組んだ.その成果として,(1)の研究については,台形翼,長方形翼,実際のチョウの翼形状に対する飛行性能を計算し,テーパー比(翼端長さ/翼根長さ)が大きくなるほど,またアスペクト比(翼長/翼面積の平方根)が多くなるほど,揚力・推力は増大するものの,動力も増加することが分かった.さらに,実際のチョウの翼形状が最も効率よく飛翔できることが分かった.この結果は,国際学会で発表され,また国際学術雑誌に掲載決定している.(2)の研究については,全体の質量を一定にしたまま,翼の質量を大きくすると,羽ばたいている最中に胴体が大きく上下に振動してしまい,そのせいで揚力が小さくなってしまうことが明らかになった.この結果は国際学会で発表され,国際学術雑誌に投稿予定である.(3)の研究については,2つの往復スライダ機構とそれをつなぐクランクシャフトによって,羽ばたき角と迎角を変化させる機構を設計・作成した.また,小型のモータを接続することで,継続的に羽ばたかせることを可能にした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. 特に予期していない問題が起こったり,大きな課題に直面したりすることがなかったため. 2. 採用者の所属している研究グループ内で活発な議論を行い, 多くの有益な意見を得たため. 3. 学会に参加し, 他分野の研究者と活発な議論を行い, 多くの有益な意見を得たため.
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで順調に進展しており,研究の変更はない.研究計画通りに進める予定である.具体的には,(1)チョウの翼の柔軟性の影響の数値解析,(2)羽ばたき機械のモータ特性の測定と羽ばたき運動の制御,(3)羽ばたき機械による揚力・推力の測定及び流れ場の可視化を行う予定である.
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Causes of Carryover |
国際学会に参加するための飛行機代が予想よりも安価であったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H29年度請求額と合わせてPC周辺機器の購入に充てる予定である
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Research Products
(6 results)