2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K18034
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| Research Institution | Nihon University |
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Principal Investigator |
飯島 晃良 日本大学, 理工学部, 准教授 (50434121)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 自着火 / 衝撃波 / 圧力波 / デトネーション / 希薄燃焼 / HCCI / 予混合圧縮着火 / ノッキング |
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| Outline of Annual Research Achievements |
世界のエネルギー消費の多くを占める，燃焼を利用したエネルギー変換機器の高効率化が喫緊の課題である．特に，乗用車，トラック・バス，船舶，二輪車，その他小型機器に多く使用されている内燃機関の飛躍的な高熱効率化のために，熱力学サイクル論などの原理に基づき，さらなる高圧縮比化，高比熱比化が必要である．つまり，より高圧・超希薄な混合気で燃焼を成立させる必要がある．このような条件では，燃焼室内で圧力振動が発生することが知られている．特に，衝撃波と自着火がカップリングすることで，デトネーション遷移過程に基づき強い圧力振動を生む可能性が指摘されている．しかし，実際のエンジン内でこのような現象が発生するのか否かは不明であり，実機で測定された詳細な実測データもほとんど存在しない．つまり，これらの現象を明らかにすることが，燃焼によるエネルギー変換機器の抜本的な高効率設計を実現する上でブレークスルーになると考えられる．本研究では，強い圧力振動を伴う運転をしつつ，その燃焼室内部を可視化できるエンジンなどを用い，高圧・超希薄予混合気における衝撃波と自着火との相互作用に基づく強い圧力振動の発生メカニズムを調べた．その結果，以下の事項を明らかにした．
１．強い圧力波が発生する前の段階で，局所で自着火が発生したのち，それが成長する．その途中過程で局所的に強い圧力波が形成され，超音速で進行することで，強烈な圧力振動に遷移する．つまり，自着火と圧力波の相互作用で超音速で進行するデトネーション遷移形態が生じていると考えられる．実際に，それらの進行速度が1500 m/s程度以上であることを高速燃焼撮影で明らかにした．
２．実機にて，強い圧力振動の特性を実測し，実際のエンジンで起こる現象と上記「1.」で示した基礎現象との対応を確認した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の当初計画は，「衝撃波発生時の希薄予混合気の自着火燃焼反応プロセスを解明する」である．実際に，可視化エンジンを用いた強い圧力振動を伴う燃焼の超高速度撮影と，画像からの自着火進行速度解析によって，強い圧力振動を伴う条件では自着火と衝撃波が相互作用することで，超音速で急速に発熱することを明らかにした．その成果を，2017年7月から8月にかけて米国ボストンで開催された，26th International Colloquium on the Dynamics of Explosions and Reactive Systems (ICDERS)にて発表するとともに，その内容をもとに国際ジャーナル Combustion Science and Technologyに投稿した．また，より実機に近い条件での検証成果を，2017年にジャカルタで開催されたJSAE/SAE 23rd Small Engine Technology ConferenceTechnology Conference にて発表し，最優秀論文賞を受賞した．さらに，当該論文がSAEの国際ジャーナル（SAE International Journal of Engines）に掲載された．よって，おおむね順調に進展していると判断する．
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| Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は，以下の2点を中心に推進する．
1. これまでの研究で明らかにしてきた，実機内燃機関の燃焼室内で生じうる「デトネーション遷移形態」のサイエンスを明らかにする研究を継続する．具体的には，超音速自着火燃焼のさらなるメカニズム（圧力上昇率，発光スペクトル解析など）解明
2. 申請書に記載した当初計画の通り，「より高負荷な条件での燃焼として，機械式圧縮機を使用した高過給条件での燃焼実験を行い，過給圧（圧縮前の加圧状況），当量比，作動ガス組成が衝撃波及び圧力振動に及ぼす影響を明らかにする．」を実施する．
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Research Products
(6 results)
