2016 Fiscal Year Research-status Report
流量外乱に着目した空圧式除振台と空圧ステージに対する振動制御技術の開発
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16K18038
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中村 幸紀 岡山大学, 自然科学研究科, 講師 (90574012)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 空圧ステージ / 空圧式除振装置 / 流量外乱 / 配管長 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度では,まず配管の長さが異なる環境下でモデル追従制御を用いた空圧ステージの位置決めについて検討した.同制御法に対して,配管長に基づく効率的な制御器の調整方法を提案した.実機検証を行い,本手法により流量外乱の影響が抑えられ,位置決めの再現性が改善されることを示した.以上の研究成果が電気学会制御研究会で発表され,また電気学会論文誌Cに掲載された.さらに,スライディングモード制御を用いたシリンダの位置決めについても検討し,電気学会制御研究会で発表した.また,配管が長い場合に圧縮空気の伝達遅れが顕著になるため,その補償方法も検討した.シリンダで駆動するボールアンドビーム装置を構築し,修正状態予測制御により制御系を安定化することができた.本成果を国内会議SICE MSCSで発表した.つぎに,空圧式除振装置に対して直列型PIS制御による振動抑制を提案し,除振装置への適用可能性を検討した.直列型では制御系は不安定化するものの,周期信号生成器(S補償器)に起因する位相遅れを改善することで流量外乱が補償されることを示した.本成果は国際会議 IEEE IECONで発表され,同発表に対してBest Session Presentation を受賞した.また,除振台と床の相対変位,除振台の加速度と空気ばねの内圧の情報を用いた多重ループ系に対する振動制御法を検討した.流量外乱の抑制と,床振動に対する除振率の両方を考慮した制御系を提案し,その有効性をシミュレーションと実験により検証した.また本結果を電気学会C部門大会で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
空圧ステージと空圧式除振装置に対して,それぞれ流量外乱の補償手法を提案し,その有効性を実験により検証した.また研究成果を学会等で発表しており,おおむね順調に研究が進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度では,直列型PIS制御を用いた流量外乱の補償方法を提案した.同制御法のS補償器を起動後,その過渡状態において振動が生じる.そこで平成29年度では,S補償器を用いたときの振動の対策を検討する.さらに,直列型と並列型のPIS制御の比較検討を行う.また,スライディングモード制御を用いたシリンダの位置決めについて実験による検証を行う.位置決めの再現性を評価することで,流量外乱に対する同制御法の有用性を確認する.
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Causes of Carryover |
所属機関が変更となり,新しい所属先での実験環境構築に必要な制御機器やソフトウェアを購入したこと,また実機検証において異動先の研究室にある現有の測定機器を活用できたことなどにより次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
非線形性の弱いサーボバルブなど位置決め精度,除振性能向上に必要な機材等を購入し,また研究成果の発表および情報収集のため国内外の会議参加に充てる予定である.
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Research Products
(6 results)