2017 Fiscal Year Annual Research Report

Output Power Enhancement and Widening Frequency Band Width by Mechanically Switching Nonlinear Circuit in Vibration Energy Harvesters

Research Project

Project/Area Number	16K18039
Research Institution	Kanazawa University
Principal Investigator	浅沼春彦金沢大学, 機械工学系, 助教 (10757298)
Project Period (FY)	2016-04-01 – 2018-03-31
Keywords	振動発電 / 機械スイッチ / 非線形回路 / 連成解析
Outline of Annual Research Achievements	IoT用無線センサモジュールの小型電源として振動発電素子が注目されているが，小型化，高発電量化，発電可能な周波数帯域の広帯域化の３つが課題であった．前年度では，折り畳みバネ構造と機械スイッチ式非線形回路が３つの課題に有効であることを実証した．最終年度では，独自の発電シミュレーション技術を開発し，本研究で提案した機械式スイッチ非線形回路と他の研究機関で推進されている電気式スイッチ非線形回路の性能比較を検討した．１．機械スイッチと圧電型発電素子を１自由度系でモデル化し，変位と発電量を数値計算する「機械-電気双方向連成解析法」を開発した．この計算手法の特徴は，発電時に刻時変化する圧電体の制振力と電流量を機械振動と電子回路にフィードバックしている点で，現実の素子の特性を予測できる．その結果，機械スイッチ非線形回路では，変位が一定になっても発電量が上昇する特異な現象を発見した．また，この現象を実験でも確認した．この現象を利用すれば，発電量の向上と高い機械的信頼性を両立する発電素子の開発が可能である．２．次に，開発した計算手法を電気式スイッチ非線形回路にも適用し，機械式スイッチ非線形回路との性能比較を検討した．その結果，先述の特異な現象のおかげで低加速度領域では機械スイッチの方が電気スイッチよりも高い発電量を示すことが分かった．この理由は，スイッチの作動原理に起因することを解明した．電気式スイッチは変位が最大/最小になるごとに作動して，その度に圧電制振力により変位が小さくなり発電量が低下した．一方で，機械式スイッチは変位がギャップ距離を超えたときのみ作動するため，スイッチが閉じて変位が小さくなっても再びギャップ距離に変位が回復するまでスイッチが作動しない「スイッチスキップ現象」を示す．これにより，変位が一定になっても発電量が増加し，電気スイッチよりも高い発電量が得られることが分かった．