2016 Fiscal Year Research-status Report
大偏心を有する回転軸に適用可能な革新的気体軸受の技術確立
Project/Area Number |
16K18040
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
伊勢 智彦 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (70514397)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 軸振動 / 振動制御 / 気体圧力制御 / 気体軸受 / 流体軸受 |
Outline of Annual Research Achievements |
気体軸受で支持された大偏心回転軸が回転すると,軸受すきま内で振動が発生する.この振幅が大きくなると接触し,損傷等が発生し,問題となる.本研究では,回転中の軸振動振幅を低減するために,本研究で考案した給気孔を非対称に配置する静圧気体軸受の数値解析と実験を行った.その結果,平成28年度には以下のような成果が得られた. (1)大偏心回転軸の回転周波数と軸受給気圧力を種々変化させた場合に,軸振動の振幅を低減できることを数値解析で明らかにした.(2)数値解析で明らかにした特性を検証するために,軸受に給気する気体圧力の制御システムを,デジタル信号変換機を使用して構築した.(3)数値解析で得られた特性を制御パラメータとする給気圧力制御プログラムを構築した.(4)上述の数値解析結果から,回転軸の偏心量と軸受特性の両方が明らかになったため,回転によってどの程度の軸振動が発生するか予測が可能となった.そこで本研究では,まずモータの回転数に対し,フィードフォワード制御によって給気圧力を変化させる方法で試験を行った.(5)給気孔の非対称性を種々変更した回転軸を複数製作し,それぞれの試験を行った.(6)回転周波数と一定給気圧力の場合の軸振動振幅を準静的な試験によって確認したところ,軸振動振幅が大きく変化することが明らかになった.(7)給気圧力ごとに軸振動振幅が0になる回転周波数を明らかにし,設定した回転周波数範囲で給気圧力を制御すると,回転中の軸振動の振幅を常に低減でき,回転軸が軸受すきまのほぼ中央で安定して回転できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で提案した技術の核となる軸受構造と,給気圧力制御システムを確立した.数値解析と回転試験によって軸振動を低減可能なことを確認した.運転中の回転軸の周波数を変調させた場合においても,常に軸振動が低減することを確認した.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに実施するとともに, 前年度に確立したシステムによって,より広い周波数範囲にわたり軸振動を低減可能な方法を検討する.さらに実験によって確認する.
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Causes of Carryover |
実験装置に使用する部品の構造と加工方法を見直したことにより,製作費が予定よりも低くなったことが理由である.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に実験で使用する部品の購入および成果発表費用として使用する予定である.
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Research Products
(4 results)