2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Sampling Mechanism Using Japanese Swordsmithing Technology for Asteroid Sample Return
Project/Area Number |
16K18043
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡部 武夫 神奈川工科大学, 工学部, 准教授 (40433180)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小惑星探査 / サンプルリターン / 日本刀 / 貫入技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、日本刀技術をとりいれた小惑星サンプリングデバイスのコアラーの試作とそれを用いた実験と構造解析ソフトによる数値解析を実施した。当該年度は研究代表者の異動に伴い、実験施設の移設と再構築の必要性があったが、異動当初、新所属機関における再構築工事の状況が十分予測できず実験的研究の見通しが立たない状況にあった。これに対応するため研究の補強案として数値解析を実施することとした。 日本刀技術を用いたコアラー試作にあたっては、日本刀の形状を採取デバイスの形状設計に取り入れるため、真剣から断面形状を3次元計測し刃肉の曲率の実測値を用いた。素材としては玉鋼を使用し、繰り返し鍛錬した玉鋼インゴットからワイヤー放電加工で切り出し、NC旋盤を用いて、日本刀から設計した先形状を形成、ステンレスパイプに溶接した。デバイスの寸法に合わせ、和釘を製作するための炉を用い焼き刃土を使用して焼き入れを行い、旋盤を用いて研磨し仕上げとした。異動先には、あらたに3m級の落錘式試験機を構築、落下衝撃による試料のずれを抑えるため、ジャッキ機構により対象試料を3軸で固定することができるよう改良した。任意の運動エネルギー高さで設定し、コアラーは電磁石で分離する構造とした。異動の影響により十分な数の実験を試行できなかったものの、従来のステンレス製のコアラーに対しての優位性が認められる結果も得られた。 実験的研究に並行して、有限要素解析ソフトANSYSでシミュレーションを実施した。消失法と名付けた解析手法により刃物による切断のダイナミクスを表現できることを確認した後、空隙のある貫入対象物のモデル化を行い、コアラー貫入時の挙動のシミュレーションを実施した。 実験、数値解析ともに新しい試みであり、当該研究分野の発展に寄与する成果が得られたと考えている。
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Research Products
(1 results)