2018 Fiscal Year Research-status Report
磁気的・力学的特性に基づき高効率安定浮上を実現する超小型磁気浮上人工心臓の開発
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16K18044
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| Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
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Principal Investigator |
小沼 弘幸 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 准教授 (90520841)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | セルフベアリングモータ / 磁気浮上モータ / 磁気浮上ポンプ / 補助人工心臓 / ターボポンプ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
磁気支持の信頼性のある超小型な小児用磁気浮上型補助人工心臓を実現するために、磁気的特性とポンプの力学的特性を上手く利用した世界最小クラスの磁気浮上モータを開発する必要がある。本年度は以下の研究を行った。
磁気浮上モータを用いた補助人工心臓の開発には、磁場解析と流体解析を用いている。磁場解析では力・トルクを推定している。これまで実機実験で1軸方向の力やトルクの測定を行い解析結果の検証を行っている。しかし、他軸へ力の干渉があることが分かっており、本研究では干渉力を利用することとしている。また、流体解析では揚程-流量特性、流体力を推定し、実機実験で揚程-流量特性の測定を行い解析結果の検証を行っている。ロータインペラに作用する流体力が外力となるため、流体力は磁気軸受を設計する上で重要なパラメータである。そこで、フォーストルクセンサを用いれば６軸に作用する力・トルクを同時に測定することができるため干渉力の測定も行え、駆動中の流体力の測定も行えると考えた。本年度はフォーストルクセンサを用いた磁気浮上モータの磁気支持力・回転トルク測定システムの製作を行い静的な磁気支持特性の評価を行った。これにより径方向と軸方向の磁気支持力の評価と同時に干渉力の評価も行うことができた。
次に干渉力を利用した磁気支持制御の可能性を確認することとした。遠心ポンプの特性で流体力により軸方向にロータが偏った位置で浮上している。軸方向にロータが変位しているとき回転制御磁界により軸方向制御ができること、軸方向にロータが変位しているとき浮上制御磁界によりロータの傾き制御ができることを確認するために、これまでに開発していた成人用磁気浮上補助人工心臓を用いて実機実験を行った。軸方向制御により振動の抑制を実現でき、磁気浮上安定性の向上を示せた．傾き制御については、組み込むことで振動が増加し全体の安定性が低下する結果となった．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の計画は次の①～⑥の項目を平成28年度に①～③、平成29年度に①～⑥、平成30年度に⑥の項目を行うこととしていた。
①最小極数としたときに最適なステータの最小スロット数を明らかにする。②別々であった回転用コイルと浮上用コイルを一つに統合することでエネルギー効率が高まることを明らかにする。③磁気支持力の発生に回転磁界が干渉するのかを明らかにし、そのための制御系を開発し有効性を明らかにする。④ロータ軸方向変位時の傾き復元トルクの発生特性を明らかにする。⑤適度な軸方向流体力を発生させかつ流体力変動の少ないインペラ形状やシュラウド形状を流体解析で見出す。⑥これらの研究成果を基に磁気浮上型補助人工心臓を開発し高効率安定浮上を達成したかを明らかにする。
開発しているセルフベアリングモータがとても小さいため製作に時間がかかり、そのため実機での評価も遅れてしまった。そこで、これまでに開発していた成人用磁気浮上補助人工心臓を用いて干渉力を利用した磁気支持もとに制御の可能性を確認した。また、開発しているセルフベアリングモータにおいて主に受動安定性で磁気支持している軸方向と傾きの剛性が低いことが判明した。これらのことから、研究期間を1年延長し次年度において、本年度の研究成果をもとにセルフベアリングモータの改良を行い超小型な磁気浮上型補助人工心臓を製作し評価を行う予定である。今後の研究計画の進捗には問題ないものと考える。
以上から「やや遅れている」と考える。
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度は、開発しているセルフベアリングモータの各種評価を進めるとともに軸方向と傾きの剛性を増加させる改良を行い、超小型な磁気浮上型補助人工心臓を製作し評価を行う予定である。
具体的には、磁気支持力評価試験、モータトルク測定試験、浮上回転試験や周波数特性試験を行う。また、軸方向と傾きの剛性を増加させる改良には、磁場解析を用いて永久磁石の配列を工夫するなど磁路中の磁束密度が高い磁気飽和が起きている部位を緩和させるようにして、エアギャップ中の磁束密度を増加させる。また、ポンプの流体解析を行い、より適度な軸方向流体力を発生させるようにインペラやシュラウドの設計を行う。そして、磁気浮上型補助人工心臓を製作し評価を行う。
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| Causes of Carryover |
研究代表者の校務の多忙などにより、学会発表などにあまり参加できなかった。その学会発表などの参加に伴う旅費を別の予算から支出した。そして、実機の改良などが遅れてしまった。これらのことなどから研究期間を延長することとした。
次年度において、実機改良のための製作費用として物品費、学会発表・参加のための旅費、投稿論文の掲載費用としてのその他費用として使用する予定である。
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